I wanna
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「おい怜央!今日の夜みんなで飲み行かねえか?」
土方の部屋へ颯爽とやってきたのは藤堂である。何も原田が長州が朝敵である旨の制札守りきり、引き抜こうとした犯人を捕えた事で報奨金が与えられたらしい。
本を読みながら少し面倒臭さが勝った怜央がうーん、と唸ると藤堂は行くだろ?と詰め寄るように怜央に顔を近づける。そしてしまいには裏声でうん!と怜央の頭をさも肯定したかのように手で縦に動かした。
そんなことがあった日の夜。蝋燭の灯りが眩しい夜の町、島原に新選組幹部一行はやってきていた。外観しか見たことがなかったが、いざ中に入ってみるとやはり豪華絢爛なものだ。
「お兄さん、えらい整った顔してはりますなあ。でも可愛らしゅうて、女の子みたいやわあ」
「…そちらこそ」
遊女ふたりに挟まれて酌を受ける怜央はあまりに慣れていなさすぎて肩は上がり、言うなれば大困惑しているわけである。それを見た沖田は女の子だからねえ、と声に出して笑っている。
「…うち女の子でも満足させられる自信持っとります」
次は沖田に聞こえないようにそう言う遊女の手は晒しによって多少潰された怜央の胸に伸びる。もう一人の遊女は怜央の尻を触っていた。
「そんな反応されると、いじめとうなるわ」
顔を歪める怜央に見かねたか、おい、と二人を止めに入る声が後ろから聞こえた。
「悪い!怜央こういうところ初めてだからあんまりいじめないでやってくれよ!」
そう怜央に助け舟を出したのは誘った張本人の藤堂だった。二人の遊女から抜け出して藤堂達の近くでご飯を食べていると千鶴がキレイな着物を着て隣の部屋から現れた。
「…かわいい」
大きさがよく強調されたら目に自分でするよりも派手な化粧に普通に生活していれば着る機会など無いに等しいキレイな着物。思わず目を奪われた。
「千鶴ちゃんやっぱ美人だな!こっちに来て酌してくれよ!」
「新ぱっつぁんばっかずりいぞ!千鶴、俺のとこにも!」
怜央が惚けているうちに千鶴の取り合いがはじまる。そしてどこからやってきたか土方の酌をしていた遊女が怜央も、と遊女とは思えぬ力で奥の部屋に押しやった。
「怜央はんも、絶対可愛よおなります」
いいよ、と抵抗するも虚しく、大人しくさせられた怜央は眉間にシワがよったまま薄く化粧を施され、美しい着物を着せられる。鏡に映る自身の姿にさらに眉間のシワが濃くなってゆく。奥歯を噛み締めて感じる千鶴との違いにどこか悔しさすら感じた。
「この格好であの場に行くの恥ずかしいんですけど」
「…せや、土方はんのところへ行きい。土方はんの気遣いで怜央はんを女の子の姿にって」
ほら、といつの間にか完成していた女性の姿のまま引きずられるようにして部屋を出る。そして土方がいる部屋の廊下側の襖を開くといつの間にかみんながいる場とは仕切られた一室で窓枠に座る土方一人が佇んでいた。
押されるようにしてその空間に投げ出されると大きな音を立ててピシッと襖が閉じる。それなりに広い部屋の入口に立つ怜央とその反対側の窓にたたずむ土方。怜央にとっては恥ずかしく気まずい時間が流れる。
チラリとこちらを見た土方が徳利の酒をそのまま喉に流し込んだ。まだ沢山残っていたのだろうか、飲み干すと少々息切れを起こす。土方はお酒に弱いと聞いていた怜央は心配になり少し駆け寄ると土方がおい、と声をかけ窓枠の下に座り込んだ。
「俺はあんまり酒は飲まねえが、今日ばかりは飲まねえと勿体ねえよな。怜央が酌してくれんだろ?」
酒に酔って赤い顔になった土方が心配して近づいてきた怜央の腕を掴みその顔を覗き込む。想像以上だ、と言うとその腕を引き自らの胸の中に引き寄せた。
「うわ、お酒くさっ…」
見た目からして分からなかったがここまで近くなれば分かる。血液すらお酒なのではという程に漂う香りにため息をついた。
「…その格好すんのは今日で終えだな。あんまり綺麗だと隊の士気が乱れるし…俺以外のやつに見せたくねえし」
その言葉の後、身体をありったけの力で抱きしめられる。お酒のせいで力加減もできない馬鹿になってしまって副長は務まるのだろうかと呆れながらその腕を抜け出すと土方の傍らに座った。
土方の部屋へ颯爽とやってきたのは藤堂である。何も原田が長州が朝敵である旨の制札守りきり、引き抜こうとした犯人を捕えた事で報奨金が与えられたらしい。
本を読みながら少し面倒臭さが勝った怜央がうーん、と唸ると藤堂は行くだろ?と詰め寄るように怜央に顔を近づける。そしてしまいには裏声でうん!と怜央の頭をさも肯定したかのように手で縦に動かした。
そんなことがあった日の夜。蝋燭の灯りが眩しい夜の町、島原に新選組幹部一行はやってきていた。外観しか見たことがなかったが、いざ中に入ってみるとやはり豪華絢爛なものだ。
「お兄さん、えらい整った顔してはりますなあ。でも可愛らしゅうて、女の子みたいやわあ」
「…そちらこそ」
遊女ふたりに挟まれて酌を受ける怜央はあまりに慣れていなさすぎて肩は上がり、言うなれば大困惑しているわけである。それを見た沖田は女の子だからねえ、と声に出して笑っている。
「…うち女の子でも満足させられる自信持っとります」
次は沖田に聞こえないようにそう言う遊女の手は晒しによって多少潰された怜央の胸に伸びる。もう一人の遊女は怜央の尻を触っていた。
「そんな反応されると、いじめとうなるわ」
顔を歪める怜央に見かねたか、おい、と二人を止めに入る声が後ろから聞こえた。
「悪い!怜央こういうところ初めてだからあんまりいじめないでやってくれよ!」
そう怜央に助け舟を出したのは誘った張本人の藤堂だった。二人の遊女から抜け出して藤堂達の近くでご飯を食べていると千鶴がキレイな着物を着て隣の部屋から現れた。
「…かわいい」
大きさがよく強調されたら目に自分でするよりも派手な化粧に普通に生活していれば着る機会など無いに等しいキレイな着物。思わず目を奪われた。
「千鶴ちゃんやっぱ美人だな!こっちに来て酌してくれよ!」
「新ぱっつぁんばっかずりいぞ!千鶴、俺のとこにも!」
怜央が惚けているうちに千鶴の取り合いがはじまる。そしてどこからやってきたか土方の酌をしていた遊女が怜央も、と遊女とは思えぬ力で奥の部屋に押しやった。
「怜央はんも、絶対可愛よおなります」
いいよ、と抵抗するも虚しく、大人しくさせられた怜央は眉間にシワがよったまま薄く化粧を施され、美しい着物を着せられる。鏡に映る自身の姿にさらに眉間のシワが濃くなってゆく。奥歯を噛み締めて感じる千鶴との違いにどこか悔しさすら感じた。
「この格好であの場に行くの恥ずかしいんですけど」
「…せや、土方はんのところへ行きい。土方はんの気遣いで怜央はんを女の子の姿にって」
ほら、といつの間にか完成していた女性の姿のまま引きずられるようにして部屋を出る。そして土方がいる部屋の廊下側の襖を開くといつの間にかみんながいる場とは仕切られた一室で窓枠に座る土方一人が佇んでいた。
押されるようにしてその空間に投げ出されると大きな音を立ててピシッと襖が閉じる。それなりに広い部屋の入口に立つ怜央とその反対側の窓にたたずむ土方。怜央にとっては恥ずかしく気まずい時間が流れる。
チラリとこちらを見た土方が徳利の酒をそのまま喉に流し込んだ。まだ沢山残っていたのだろうか、飲み干すと少々息切れを起こす。土方はお酒に弱いと聞いていた怜央は心配になり少し駆け寄ると土方がおい、と声をかけ窓枠の下に座り込んだ。
「俺はあんまり酒は飲まねえが、今日ばかりは飲まねえと勿体ねえよな。怜央が酌してくれんだろ?」
酒に酔って赤い顔になった土方が心配して近づいてきた怜央の腕を掴みその顔を覗き込む。想像以上だ、と言うとその腕を引き自らの胸の中に引き寄せた。
「うわ、お酒くさっ…」
見た目からして分からなかったがここまで近くなれば分かる。血液すらお酒なのではという程に漂う香りにため息をついた。
「…その格好すんのは今日で終えだな。あんまり綺麗だと隊の士気が乱れるし…俺以外のやつに見せたくねえし」
その言葉の後、身体をありったけの力で抱きしめられる。お酒のせいで力加減もできない馬鹿になってしまって副長は務まるのだろうかと呆れながらその腕を抜け出すと土方の傍らに座った。