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江戸で隊士を集めていた藤堂が新選組に帰ってきてからすぐのこと。池田屋や禁門の変での新選組の活躍を認めてくれた幕府から将軍上洛に際して警護に当たれとの命令を受けた。
体調不良の沖田と藤堂を抜かして編成を組み、新選組総出で警護をする、と近藤はえらく張り切っている。
「雪村が参加するってのに、珍しく口出ししねえんだな」
雪村へ着いてくるかどうか質問した際、禁門の変の時はずっと反対だと喚いていた怜央だったが、今回は好きにしたらいいと全てを千鶴の意見に合わせていた。
「将軍上洛の警護ってだけで特別危険なことは無い。それに、千鶴を一人にしなきゃいいんでしょ」
そうだな、と返す土方は怜央の顔がどうも我慢しているようにしか見えなかった。
将軍上洛当日、怜央に割り振られた仕事は千鶴と同じく隊への伝令だった。素早く伝達するため、たまに千鶴と別の道を急くのが少し気がかりではあったが、黙ってその任務をこなす。
千鶴とは別の道の伝令を終え、千鶴の元へ向かっている途中、背中を突き抜けるような刺激が目を覚ます。まさか、と思い急いで千鶴の元へ向かうと池田屋の男とあと二人が千鶴と原田、斎藤を囲んでいた。
「お前はなんでこんなガキ一人に執着するんだ?」
土方が風間にそう問いかけると貴重な純血の女鬼だからだ、と答える。千鶴が鬼?と首を傾げると風間は嘲笑うようにして言い放った。
「雪村千鶴、貴様は常人にしては傷の治りが早いだろう。その小太刀も雪村の性も、東の鬼の生き残りである証拠だ。だから西の鬼の頭領である俺が妻として迎え入れるというのだ…まさか、あの逸れ鬼から何も聞いていないとでも言うのか?」
そして影で話を聞いていた怜央に目配せをする。
「怜央が、鬼?」
そう言う千鶴に対して決まりが悪そうな顔をすると風間へ苦無を投げつけた。
「千鶴が生きていくに必要のないこと。知る必要なんてないから言わなかっただけ」
千鶴を前にして立つ土方と共に千鶴を背にして守る。山崎がやってきて千鶴を連れて逃げると風間は山崎に向かって斬り掛かった。
「力ずくで奪おうとするから逃げられるんでしょ。駆け引きのひとつでもしてみなよ」
風間の刀を苦無で受け止めると胸元を蹴るために後ろ回りをする。風間は向かってきた踵を柄で殴ると後ろへ後ずさる。怜央は体勢を崩し転がり込んだ。
「逸れ鬼とはいえ流石純血の鬼…だが鬼の掟を破った一族の末裔を生かしておく訳にはいかん」
そう言って刀を振り下ろそうとしたところ、土方が刀を受け止めた。
「ガキを娶るとか言った男が、次はガキを殺そうってか?こいつらは新選組が預かってるんだ、お前ら鬼がどうこうとか知ったこっちゃねえんだよ」
土方はそう言いながら怜央を左手で抱き守ると抑えていた刀を弾き飛ばす。そしてそのまま刀を振ると風間の前髪を掠った。
「風間辞めなさい、これ以上の戦いは無意味です。興が乗っては困るでしょう」
禁門の変で出会った風間の仲間がそう声をかけると風間ともう一人は確認が叶った、と姿を消した。
「…全員持ち場に戻れ!山崎は雪村を頼む」
土方はそう指示を出すと抱きしめていた怜央を解放する。怜央の目は緊張のせいか、おぼつかない足取りで歩く千鶴を見ていた。
体調不良の沖田と藤堂を抜かして編成を組み、新選組総出で警護をする、と近藤はえらく張り切っている。
「雪村が参加するってのに、珍しく口出ししねえんだな」
雪村へ着いてくるかどうか質問した際、禁門の変の時はずっと反対だと喚いていた怜央だったが、今回は好きにしたらいいと全てを千鶴の意見に合わせていた。
「将軍上洛の警護ってだけで特別危険なことは無い。それに、千鶴を一人にしなきゃいいんでしょ」
そうだな、と返す土方は怜央の顔がどうも我慢しているようにしか見えなかった。
将軍上洛当日、怜央に割り振られた仕事は千鶴と同じく隊への伝令だった。素早く伝達するため、たまに千鶴と別の道を急くのが少し気がかりではあったが、黙ってその任務をこなす。
千鶴とは別の道の伝令を終え、千鶴の元へ向かっている途中、背中を突き抜けるような刺激が目を覚ます。まさか、と思い急いで千鶴の元へ向かうと池田屋の男とあと二人が千鶴と原田、斎藤を囲んでいた。
「お前はなんでこんなガキ一人に執着するんだ?」
土方が風間にそう問いかけると貴重な純血の女鬼だからだ、と答える。千鶴が鬼?と首を傾げると風間は嘲笑うようにして言い放った。
「雪村千鶴、貴様は常人にしては傷の治りが早いだろう。その小太刀も雪村の性も、東の鬼の生き残りである証拠だ。だから西の鬼の頭領である俺が妻として迎え入れるというのだ…まさか、あの逸れ鬼から何も聞いていないとでも言うのか?」
そして影で話を聞いていた怜央に目配せをする。
「怜央が、鬼?」
そう言う千鶴に対して決まりが悪そうな顔をすると風間へ苦無を投げつけた。
「千鶴が生きていくに必要のないこと。知る必要なんてないから言わなかっただけ」
千鶴を前にして立つ土方と共に千鶴を背にして守る。山崎がやってきて千鶴を連れて逃げると風間は山崎に向かって斬り掛かった。
「力ずくで奪おうとするから逃げられるんでしょ。駆け引きのひとつでもしてみなよ」
風間の刀を苦無で受け止めると胸元を蹴るために後ろ回りをする。風間は向かってきた踵を柄で殴ると後ろへ後ずさる。怜央は体勢を崩し転がり込んだ。
「逸れ鬼とはいえ流石純血の鬼…だが鬼の掟を破った一族の末裔を生かしておく訳にはいかん」
そう言って刀を振り下ろそうとしたところ、土方が刀を受け止めた。
「ガキを娶るとか言った男が、次はガキを殺そうってか?こいつらは新選組が預かってるんだ、お前ら鬼がどうこうとか知ったこっちゃねえんだよ」
土方はそう言いながら怜央を左手で抱き守ると抑えていた刀を弾き飛ばす。そしてそのまま刀を振ると風間の前髪を掠った。
「風間辞めなさい、これ以上の戦いは無意味です。興が乗っては困るでしょう」
禁門の変で出会った風間の仲間がそう声をかけると風間ともう一人は確認が叶った、と姿を消した。
「…全員持ち場に戻れ!山崎は雪村を頼む」
土方はそう指示を出すと抱きしめていた怜央を解放する。怜央の目は緊張のせいか、おぼつかない足取りで歩く千鶴を見ていた。