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「沖田さん、客人に出すってのにこれはないんじゃない?」
「おかしいな、僕この前みんなに野菜洗われたのに懲りて薄味にしたはずなのに」
怜央と沖田は炊事場で料理を作っていた。なんでも今日から伊東甲子太郎という男が仲間を連れ入隊し、新選組参謀という肩書きを預かるようだ。
「一か百かしかないの?野菜の味しかしないんですよ。よくこれで料理って言えたね」
酷いな、と楽しそうに言う沖田は分かっていないしもちろん懲りていない。次の炊事担当になった時には濃い味を出すのだろう。
「でも君って人殺す割には美味しいご飯作るよね。野蛮な女の子は料理下手って相場で決まってるのに」
沖田は怜央の作った煮物をつまみ食いする。程よく味が染みていて美味しい、となかなかのご好評。
「江戸では毎日作ってましたからね。不味いもの食べたくないし」
千鶴に料理を教えたのも自分だという怜央に意外性を隠しきれない様子の沖田の手は無意識に煮物に伸びていた。その手を払うと皿に盛り付ける。そこに千鶴が酒を持って現れ、何事かと聞けば熱燗を作るのだという。
「なんだ、君が飲むのかと思っちゃった」
沖田が冗談めかして言えば飲めない、と千鶴は少し恥ずかしそうに言う。そして沖田の目が怜央に向けられると慌てて好きじゃないと答えた。
怜央は膳を客間に運び込むと伊東に声をかけられた。
「あなた、藤堂くんが言っていましたよ、とてもお強いんですってね。そんなあなたの手料理が食べられて光栄ですわ」
「…それはどうも」
どうにも疲れるその振る舞いに怜央は思わず眉間に皺を寄せ土方の方を振り向いた。土方は何も言わずに顎で扉の方へ向かうよう指示する。彼もどこか気に入らない節があるのだろうか。
「このお酒は私が持っていく。千鶴は食器を洗って欲しい」
あまり千鶴と会わせたくないと思った怜央は熱燗を持ってきた千鶴からそれを奪い取るとため息をつき、もう一度客間へと歩を進めた。
「おかしいな、僕この前みんなに野菜洗われたのに懲りて薄味にしたはずなのに」
怜央と沖田は炊事場で料理を作っていた。なんでも今日から伊東甲子太郎という男が仲間を連れ入隊し、新選組参謀という肩書きを預かるようだ。
「一か百かしかないの?野菜の味しかしないんですよ。よくこれで料理って言えたね」
酷いな、と楽しそうに言う沖田は分かっていないしもちろん懲りていない。次の炊事担当になった時には濃い味を出すのだろう。
「でも君って人殺す割には美味しいご飯作るよね。野蛮な女の子は料理下手って相場で決まってるのに」
沖田は怜央の作った煮物をつまみ食いする。程よく味が染みていて美味しい、となかなかのご好評。
「江戸では毎日作ってましたからね。不味いもの食べたくないし」
千鶴に料理を教えたのも自分だという怜央に意外性を隠しきれない様子の沖田の手は無意識に煮物に伸びていた。その手を払うと皿に盛り付ける。そこに千鶴が酒を持って現れ、何事かと聞けば熱燗を作るのだという。
「なんだ、君が飲むのかと思っちゃった」
沖田が冗談めかして言えば飲めない、と千鶴は少し恥ずかしそうに言う。そして沖田の目が怜央に向けられると慌てて好きじゃないと答えた。
怜央は膳を客間に運び込むと伊東に声をかけられた。
「あなた、藤堂くんが言っていましたよ、とてもお強いんですってね。そんなあなたの手料理が食べられて光栄ですわ」
「…それはどうも」
どうにも疲れるその振る舞いに怜央は思わず眉間に皺を寄せ土方の方を振り向いた。土方は何も言わずに顎で扉の方へ向かうよう指示する。彼もどこか気に入らない節があるのだろうか。
「このお酒は私が持っていく。千鶴は食器を洗って欲しい」
あまり千鶴と会わせたくないと思った怜央は熱燗を持ってきた千鶴からそれを奪い取るとため息をつき、もう一度客間へと歩を進めた。