ストーリー
しょうぶの部屋を出て自室へ戻ってきたミモザとあやめは早速、花の図鑑や桐生院家の今までの作品の写真集を片手に構想を練り始める。
先程までのピンと張り詰めた空気から一転、畳の上に座り込んだ2人の間には弾んだ空気が流れている。
🌷「どんな作品にしようかなぁ〜!!あ、この花おもしろ〜い!!これも綺麗〜!!」
🌼「やはり、見に来ていただいた方に楽しんでいただける作品にしたいですし…。おばあさまを失望させるわけには参りませんからね…。」
*******************************
あやめとミモザが図鑑や作品の写真集を見ながら構想を練り始めてからしばらく経った頃…
先程までの和やかな空気の中に次第に小さなすれ違いの影が落ち始める。
🌷「ねぇねぇあやめちゃん!やっぱり、見に来てくれた人がわぁ〜って驚くようなおっきなお花がいいな〜!!ダリアとか、カサブランカとかをドカンと生けて、周りにもカラフルなお花をたくさん並べるの!」
ミモザは目を輝かせながら、色鮮やかな洋花が並ぶページを指差す。
🌷「展覧会に初めて来る人にも、『すごく綺麗!楽しい!』って笑顔のお花を咲かせられるような作品にしたいな!!」
だが、その言葉を聞いたあやめの表情が僅かに曇る。
🌼「…ミモザちゃん。気持ちはわかるけれど…今回は桐生院家当主様主催の花展…格式の高い展覧会なのよ…?」
あやめは背筋をピンと伸ばして静かに、でも譲れない強さを含んだ声で諭すように言う。
🌼「華道のお家元の一つである桐生院家の者として作品を出す以上、ただ派手であればいいと言うものではないのよ。伝統的な型を忠実に守って無駄な飾りを削ぎ落とし、一輪の凜とした桔梗や撫子の花の佇まい、その『余白の美』をもって花本来の魅力や命の尊さを表現することこそが、伝統ある生花の真髄であり、代々受け継がれてきた桐生院流の伝統的な華道なのよ。」
あやめは桐生院家本家の娘として幼少期から厳しく叩き込まれてきた『桐生院流の華道の教え』を心から誇りに思っているからこそ、真剣そのものの眼差しでミモザを見つめる。だが、分家の娘として生まれ、まだ幼く自由な感性を持つミモザにとって、その真摯さは重苦しい壁のように感じられてしまった。
🌷「えぇ〜…そんなの堅苦しくてつまんないよ〜…。当主様とか桐生院の人たちだけじゃなくて、私は見にきてくれる人皆んなに楽しんでほしいの!小さい子たちにもわかりやすいのがいい!!」
🌼「お客様を楽しませることと、型を崩すことは違いますわ。豪華さばかりを求めては、花が本来もつ凜とした美しさが霞んでしまいますわ。伝統というのは何十年、何百年の時の中で磨かれた究極の美なのよ。それを無視して花を生けてしまってはお花が可哀想ですわ!」
先程までのピンと張り詰めた空気から一転、畳の上に座り込んだ2人の間には弾んだ空気が流れている。
🌷「どんな作品にしようかなぁ〜!!あ、この花おもしろ〜い!!これも綺麗〜!!」
🌼「やはり、見に来ていただいた方に楽しんでいただける作品にしたいですし…。おばあさまを失望させるわけには参りませんからね…。」
*******************************
あやめとミモザが図鑑や作品の写真集を見ながら構想を練り始めてからしばらく経った頃…
先程までの和やかな空気の中に次第に小さなすれ違いの影が落ち始める。
🌷「ねぇねぇあやめちゃん!やっぱり、見に来てくれた人がわぁ〜って驚くようなおっきなお花がいいな〜!!ダリアとか、カサブランカとかをドカンと生けて、周りにもカラフルなお花をたくさん並べるの!」
ミモザは目を輝かせながら、色鮮やかな洋花が並ぶページを指差す。
🌷「展覧会に初めて来る人にも、『すごく綺麗!楽しい!』って笑顔のお花を咲かせられるような作品にしたいな!!」
だが、その言葉を聞いたあやめの表情が僅かに曇る。
🌼「…ミモザちゃん。気持ちはわかるけれど…今回は桐生院家当主様主催の花展…格式の高い展覧会なのよ…?」
あやめは背筋をピンと伸ばして静かに、でも譲れない強さを含んだ声で諭すように言う。
🌼「華道のお家元の一つである桐生院家の者として作品を出す以上、ただ派手であればいいと言うものではないのよ。伝統的な型を忠実に守って無駄な飾りを削ぎ落とし、一輪の凜とした桔梗や撫子の花の佇まい、その『余白の美』をもって花本来の魅力や命の尊さを表現することこそが、伝統ある生花の真髄であり、代々受け継がれてきた桐生院流の伝統的な華道なのよ。」
あやめは桐生院家本家の娘として幼少期から厳しく叩き込まれてきた『桐生院流の華道の教え』を心から誇りに思っているからこそ、真剣そのものの眼差しでミモザを見つめる。だが、分家の娘として生まれ、まだ幼く自由な感性を持つミモザにとって、その真摯さは重苦しい壁のように感じられてしまった。
🌷「えぇ〜…そんなの堅苦しくてつまんないよ〜…。当主様とか桐生院の人たちだけじゃなくて、私は見にきてくれる人皆んなに楽しんでほしいの!小さい子たちにもわかりやすいのがいい!!」
🌼「お客様を楽しませることと、型を崩すことは違いますわ。豪華さばかりを求めては、花が本来もつ凜とした美しさが霞んでしまいますわ。伝統というのは何十年、何百年の時の中で磨かれた究極の美なのよ。それを無視して花を生けてしまってはお花が可哀想ですわ!」
