ストーリー
華やかな歓声が響き渡るアイプリキャッスルの喧騒から遠く離れたおねがい町の片隅。街灯の光すら届かない薄暗く、狭い路地裏のコンクリートの壁に深い影が2つ、静かに落ちている。
ノワール🐇「……約束どおり持ってきたわよ、ラッテ。」
そう言ってノワールは懐からまばゆい光を放つダイヤ型の宝石、おねがいプリズムを取り出す。
ラッテ🐹「チチチ…毎度ありぃ。」
もう一方のフードを深く被り、その奥から異様な気配を漂わせる小柄な男は、片手でフードを取ると、ニヤリと笑う。
ラッテと呼ばれたその男はノワールからおねがいプリズムを受け取ると、その輪郭を確かめるように、親指で表面をなぞる。
🐹「確かにこれは本物のお願いジュエル…さすがはノワール様…チチチ…。」
ラッテがニタニタと不気味な笑いを浮かべるとその口の端から鋭い牙が顔を覗かせる。
🐇「…それで?私の目当てのものは持ってきたのかしら?」
ノワールはラッテの不気味な笑みを冷ややかな目あしらいながら、白手袋に包まれた右手をマントの隙間からスッと差し出す。
🐹「チュチュッ…もちろん。このラッテに手に入れられぬものなどありはしませんとも…。」
ラッテは鋭い牙を覗かせたまま「チチチ…」と喉を鳴らしてマントの奥から丁寧に布で包まれた、1本のガラス製のボトルを取り出す。
🐹「約束の『ハニーブラッド』、手に入れるのに苦労したんですぜ…?全ての吸血鬼が追い求める上物の人間の血…どんな味がするんでしょうねぇ…?」
🐇「貴方にはあげないわよ?」
ノワールはラッテの手からボトルをひったくるようにして受け取ると、丁寧に巻かれた布を無造作に剥ぎ取る。
月明かりの下で露わになったガラスのボトルの内側では濃厚で妖しい光を放つ赤い液体、『ハニーブラッド』がまるで意思を持つかのように、トプンッと重く揺らめく。
🐇「……素晴らしいわ。栓をしていても仄かに香るこの甘くて芳醇な香り…。あの娘(こ)を狂わせるのに丁度いいわ。」
ノワールはボトルの栓をつけたまま、かすかに香る血の匂いを肺いっぱいに吸い込むと、愛おしそうにボトルの表面をなぞる。
🐹「あの娘…?」
🐇「えぇ、あの愛に飢えた銀の騎士様よ。」
🐹「チチチ…まさかあのシルバとかいうガキにそれを飲ませる気ですかい…?そんなことしたら、抑え込んでいた『乾き』が一気に爆発して、本物の化け物になってしまいますぜ…?」
🐇「うふふ…自分の中の内なる獣の衝動にあの娘(こ)がどこまで耐えられるかしら…?己の牙で大切な人たちを殺めたら…どんな顔をするのかしら…?想像するだけでゾクゾクするわ…!」
ノワールは恍惚の表情で牙を見せて笑うと、ボトルをマントの奥へと滑り込ませて、暗闇へと消えていく。
🐹「チチチ…さすがはノワール様…。エグいことを考えつくものだ…。」
残されたラッテはそう呟いて誰もいない路地で不気味に笑うのだった…。
第3話 終わり
ノワール🐇「……約束どおり持ってきたわよ、ラッテ。」
そう言ってノワールは懐からまばゆい光を放つダイヤ型の宝石、おねがいプリズムを取り出す。
ラッテ🐹「チチチ…毎度ありぃ。」
もう一方のフードを深く被り、その奥から異様な気配を漂わせる小柄な男は、片手でフードを取ると、ニヤリと笑う。
ラッテと呼ばれたその男はノワールからおねがいプリズムを受け取ると、その輪郭を確かめるように、親指で表面をなぞる。
🐹「確かにこれは本物のお願いジュエル…さすがはノワール様…チチチ…。」
ラッテがニタニタと不気味な笑いを浮かべるとその口の端から鋭い牙が顔を覗かせる。
🐇「…それで?私の目当てのものは持ってきたのかしら?」
ノワールはラッテの不気味な笑みを冷ややかな目あしらいながら、白手袋に包まれた右手をマントの隙間からスッと差し出す。
🐹「チュチュッ…もちろん。このラッテに手に入れられぬものなどありはしませんとも…。」
ラッテは鋭い牙を覗かせたまま「チチチ…」と喉を鳴らしてマントの奥から丁寧に布で包まれた、1本のガラス製のボトルを取り出す。
🐹「約束の『ハニーブラッド』、手に入れるのに苦労したんですぜ…?全ての吸血鬼が追い求める上物の人間の血…どんな味がするんでしょうねぇ…?」
🐇「貴方にはあげないわよ?」
ノワールはラッテの手からボトルをひったくるようにして受け取ると、丁寧に巻かれた布を無造作に剥ぎ取る。
月明かりの下で露わになったガラスのボトルの内側では濃厚で妖しい光を放つ赤い液体、『ハニーブラッド』がまるで意思を持つかのように、トプンッと重く揺らめく。
🐇「……素晴らしいわ。栓をしていても仄かに香るこの甘くて芳醇な香り…。あの娘(こ)を狂わせるのに丁度いいわ。」
ノワールはボトルの栓をつけたまま、かすかに香る血の匂いを肺いっぱいに吸い込むと、愛おしそうにボトルの表面をなぞる。
🐹「あの娘…?」
🐇「えぇ、あの愛に飢えた銀の騎士様よ。」
🐹「チチチ…まさかあのシルバとかいうガキにそれを飲ませる気ですかい…?そんなことしたら、抑え込んでいた『乾き』が一気に爆発して、本物の化け物になってしまいますぜ…?」
🐇「うふふ…自分の中の内なる獣の衝動にあの娘(こ)がどこまで耐えられるかしら…?己の牙で大切な人たちを殺めたら…どんな顔をするのかしら…?想像するだけでゾクゾクするわ…!」
ノワールは恍惚の表情で牙を見せて笑うと、ボトルをマントの奥へと滑り込ませて、暗闇へと消えていく。
🐹「チチチ…さすがはノワール様…。エグいことを考えつくものだ…。」
残されたラッテはそう呟いて誰もいない路地で不気味に笑うのだった…。
第3話 終わり
