ssシリーズ 禪院家の期待外れ
名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
親戚に呪力のないお兄さんがいた。
あの人の隣は心地よかった。
私が相伝の術式を受け継ごうが継ぐまいがどうでもいいらしい。
天与呪縛なんてもので呪力がなく、術式以前の話らしくてそういう話は興味ないようだった。呪霊を見ることはできないけれど、お兄さん曰く「五感で感じるんだよ」とのこと。いやさっぱり分からないよ、見えてるんじゃないの?五感って視覚あるよね?と聞き返すと面倒くさそうに「あっち行け」と手を払って、その手が私の顔にペチリと当たった。
呪霊の見えない世界。少し羨ましく思えた。あんなもの見えない方がいい。気味の悪い見た目に、訳の分からない存在感。
でも見えなければ祓えないし、案外見えない世界というのも怖いのかもしれない。そう言葉にするとあの人は「別に怖かねぇよ」と言ってそのまま屋敷を出て行った。
あの人は元気だろうか。
あの人の隣は心地よかった。
私が相伝の術式を受け継ごうが継ぐまいがどうでもいいらしい。
天与呪縛なんてもので呪力がなく、術式以前の話らしくてそういう話は興味ないようだった。呪霊を見ることはできないけれど、お兄さん曰く「五感で感じるんだよ」とのこと。いやさっぱり分からないよ、見えてるんじゃないの?五感って視覚あるよね?と聞き返すと面倒くさそうに「あっち行け」と手を払って、その手が私の顔にペチリと当たった。
呪霊の見えない世界。少し羨ましく思えた。あんなもの見えない方がいい。気味の悪い見た目に、訳の分からない存在感。
でも見えなければ祓えないし、案外見えない世界というのも怖いのかもしれない。そう言葉にするとあの人は「別に怖かねぇよ」と言ってそのまま屋敷を出て行った。
あの人は元気だろうか。