アリティアの蒼き剣(feカイン 凍結)
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7章 紅の剣士
(6章外伝 傭兵部隊 割愛)
グルニアを立ったアリティア騎士団は、一度傭兵団に襲われた。おそらくカタリナ達暗殺者が仕組んだのであろう。巧妙な作戦だったが、相手は所詮雇われた賊。一気に制圧した。さらにその隊長だったシーザ、ラディという二人の男は、暗黒戦争でマルスの仲間だったという経緯もあり、アリティア軍が雇うこととなった。
そうして北上し、一行はラーマン神殿、さらにその先にあるカシミア大橋を目指していった。行きはただ進めばよかったのだが、帰りはいつ襲撃があるかもわからないこともあり、じりじりと長く感じられた。カインのこともあり焦りつつあるクリスだったが、バーツの戦争後に体験した様々な職業の話や、フレイから聞く歴史の話はためになるものが多かった。アリティア軍の動向に関しては祖父がよく話していたからある程度知っているものの、あまり学がある方ではない。田舎者にとって王都勤めが長い者の話はなかなか興味深いものが多かった。
「フレイ殿、ラーマン神殿には何が祭られているのですか?」
「そうか、今の若者は知らないであろうな…。あそこには守護神ナーガが祭られているのだ」
「ナーガ様?」
「今から千年も昔のことだが、まだ大陸に大国はなく、人々は村を作って暮らしていた。ある日、魔物が押し寄せ、人間を絶滅寸前にまで殺した。わずかに生き残った人々は、神に助けを求めた。そして神は巨大な戦士を地上に遣わした。戦士は左手に5つの宝玉を埋めた盾と、右手に輝く剣を持ち、魔物どもを討ち取り天界に去っていった。それが守護神ナーガだ」
「初めて聞くお話です。そのナーガ様が、ラーマン神殿に…」
「そうだ」
ナーガの話も、星のオーブの話もやはり神話だ。それでもその神話の欠片がいま軍にあると思うと、どこまでが物語で、どこからが歴史なのか。クリスには到底わかりえない事だった。
そうして神殿に近づくと、森で盗賊の集団を見かけた。偵察すると、神殿は盗賊の巣窟になっているらしい。さらにその森に盗賊に追われた踊り子が迷い込んだと周囲の村が助けを求めた。アリティア軍はその踊り子を救出し、歴史ある神殿を守るために出陣した。もしかすると、探している星の欠片も盗賊の手の中かもしれない。急がなければならなかった。
また、森を抜けた先のカシミア大橋には今や敵国となったアカネイアの傭兵部隊が待ち構えている。遠征に向かうときにはまだアカネイアは敵ではなく、橋も難なく通過できたが今ではそうもいかない。しかもそこを守るのは宝剣メリクルを持つ勇者アストリアだ。今の戦力で立ち向かうにはあまりに無謀な相手だ。かつての仲間ということもありま、なべく接触せずに抜けられれば良いが…。
この森で、思いのほか活躍を見せたのは木こりたちだった。だれよりも森に慣れている彼らは、すいすいと進んでは盗賊たちを倒していった。盗賊たちはそれほど強くないが、神殿の貴重品を取り返そうとするとどうしても軍が縦に長くなりがちだ。急ぎながら、しかし慌ててはいけない。おそらくアストリアはアリティア軍には気が付いているだろう。彼らの任務が橋の防衛だとすればむやみに近づいては来ないはずだ。しかし橋を越えればわからない。そのこともあり、緊張が絶えることはない。
「マルス様、女の子があっちにいるわ!」
森も深まるころ、シーダが声をあげた。そしてその女性を守っていたのは、紅の剣を持つ長髪の男だった。
「彼は…」
「久しいな、マルス王子」
男は女性のことなどほったらかしてマルスに歩み寄るとそういった。
「あなたは、ナバール!」
「おい、娘。アリティア軍と合流した。俺の役目はここまでだ」
踊り子は疲れ切っていたようで、リフとウェンデルに保護された。ナバールはマルスから目を離すと、シーダと、その後方に目を向けた。そこにいたのはオグマだった。
「貴様、やはりここにいたか」
「…ああ。お前は――また盗賊にでも雇われているのか」
「先ほどやめたところだ。マルス王子、俺も同行しよう」
「ナバール…」
「俺は決着をつけたいことがあった。おそらくそれはこの戦いが終わるまで、つけることができないだろう。だから同行するのだ」
「…そうか、わかった。君がいてくれれば心強いよ」
どんな経緯があるのやらクリスはよくわからないのだが、それ以降ナバールとオグマは一言も交わさないくせにどこか競い合うように剣を振るっていた。その二人の力もあり、神殿は制圧することができた。盗賊のナイフや木の枝で細かい傷を負ったが、重症者はいない。すぐに橋を渡れそうだった。
「王子、星の欠片はいくつか回収することができましたぞ」
「ジェイガン、神殿にあったものはこれで全部だといいけれど…」
「アカネイア傭兵による追撃が懸念されます。すぐにカシミア海峡に出ましょう!」
「ああ。みんな、遅れを取るな!」
●これまでの流れ
アカネイア皇帝ハーディンによってグルニアの反乱を命じられた
しかし、グルニアはアカネイアの司令官ラングによって虐げられていただけだった
グルニアのロレンス将軍はマルスに王女王子を託しやむなく自害
しかし王子たちはラングに連れ去られ、アリティアは次に軍の反乱で王女ミネルバが囚われているというマケドニアへの遠征を命じられる
船でマケドニアの森に上陸し、警備していた竜騎士団を制圧
さらに進みマケドニアの反乱を平定するがミネルバの姿はなかった
ラングは次に、王子王女がさらわれたため追うように命じるが、マルスは拒否
ユベロ王子とユミナ王女を連れだしたオグマを追うことに(4章まで)
オグマが目指すのは王子と追うよと面識のあるウェンデルの住む村、そこへむかうためマケドニア・バイキングの地に入るが海賊に見つかる。そこでアリティア軍と合流。
一息つく間もなく、シーダによってアリティアが包囲されたことを知る。
アリティア軍は船でグルニアに戻り、ラングを倒しグルニアを開放する。
そこで囚われていたウェンデルと再会する。一行はウェンデルから星のかけらについて聞き、アリティアを取り戻した後、集める手助けをすることを約束した。アリティアの帰路にあるラーマン神殿にたちより、アカネイアのアストリアの傭兵団に追われながらカシミア大橋を渡る。
(6章外伝 傭兵部隊 割愛)
グルニアを立ったアリティア騎士団は、一度傭兵団に襲われた。おそらくカタリナ達暗殺者が仕組んだのであろう。巧妙な作戦だったが、相手は所詮雇われた賊。一気に制圧した。さらにその隊長だったシーザ、ラディという二人の男は、暗黒戦争でマルスの仲間だったという経緯もあり、アリティア軍が雇うこととなった。
そうして北上し、一行はラーマン神殿、さらにその先にあるカシミア大橋を目指していった。行きはただ進めばよかったのだが、帰りはいつ襲撃があるかもわからないこともあり、じりじりと長く感じられた。カインのこともあり焦りつつあるクリスだったが、バーツの戦争後に体験した様々な職業の話や、フレイから聞く歴史の話はためになるものが多かった。アリティア軍の動向に関しては祖父がよく話していたからある程度知っているものの、あまり学がある方ではない。田舎者にとって王都勤めが長い者の話はなかなか興味深いものが多かった。
「フレイ殿、ラーマン神殿には何が祭られているのですか?」
「そうか、今の若者は知らないであろうな…。あそこには守護神ナーガが祭られているのだ」
「ナーガ様?」
「今から千年も昔のことだが、まだ大陸に大国はなく、人々は村を作って暮らしていた。ある日、魔物が押し寄せ、人間を絶滅寸前にまで殺した。わずかに生き残った人々は、神に助けを求めた。そして神は巨大な戦士を地上に遣わした。戦士は左手に5つの宝玉を埋めた盾と、右手に輝く剣を持ち、魔物どもを討ち取り天界に去っていった。それが守護神ナーガだ」
「初めて聞くお話です。そのナーガ様が、ラーマン神殿に…」
「そうだ」
ナーガの話も、星のオーブの話もやはり神話だ。それでもその神話の欠片がいま軍にあると思うと、どこまでが物語で、どこからが歴史なのか。クリスには到底わかりえない事だった。
そうして神殿に近づくと、森で盗賊の集団を見かけた。偵察すると、神殿は盗賊の巣窟になっているらしい。さらにその森に盗賊に追われた踊り子が迷い込んだと周囲の村が助けを求めた。アリティア軍はその踊り子を救出し、歴史ある神殿を守るために出陣した。もしかすると、探している星の欠片も盗賊の手の中かもしれない。急がなければならなかった。
また、森を抜けた先のカシミア大橋には今や敵国となったアカネイアの傭兵部隊が待ち構えている。遠征に向かうときにはまだアカネイアは敵ではなく、橋も難なく通過できたが今ではそうもいかない。しかもそこを守るのは宝剣メリクルを持つ勇者アストリアだ。今の戦力で立ち向かうにはあまりに無謀な相手だ。かつての仲間ということもありま、なべく接触せずに抜けられれば良いが…。
この森で、思いのほか活躍を見せたのは木こりたちだった。だれよりも森に慣れている彼らは、すいすいと進んでは盗賊たちを倒していった。盗賊たちはそれほど強くないが、神殿の貴重品を取り返そうとするとどうしても軍が縦に長くなりがちだ。急ぎながら、しかし慌ててはいけない。おそらくアストリアはアリティア軍には気が付いているだろう。彼らの任務が橋の防衛だとすればむやみに近づいては来ないはずだ。しかし橋を越えればわからない。そのこともあり、緊張が絶えることはない。
「マルス様、女の子があっちにいるわ!」
森も深まるころ、シーダが声をあげた。そしてその女性を守っていたのは、紅の剣を持つ長髪の男だった。
「彼は…」
「久しいな、マルス王子」
男は女性のことなどほったらかしてマルスに歩み寄るとそういった。
「あなたは、ナバール!」
「おい、娘。アリティア軍と合流した。俺の役目はここまでだ」
踊り子は疲れ切っていたようで、リフとウェンデルに保護された。ナバールはマルスから目を離すと、シーダと、その後方に目を向けた。そこにいたのはオグマだった。
「貴様、やはりここにいたか」
「…ああ。お前は――また盗賊にでも雇われているのか」
「先ほどやめたところだ。マルス王子、俺も同行しよう」
「ナバール…」
「俺は決着をつけたいことがあった。おそらくそれはこの戦いが終わるまで、つけることができないだろう。だから同行するのだ」
「…そうか、わかった。君がいてくれれば心強いよ」
どんな経緯があるのやらクリスはよくわからないのだが、それ以降ナバールとオグマは一言も交わさないくせにどこか競い合うように剣を振るっていた。その二人の力もあり、神殿は制圧することができた。盗賊のナイフや木の枝で細かい傷を負ったが、重症者はいない。すぐに橋を渡れそうだった。
「王子、星の欠片はいくつか回収することができましたぞ」
「ジェイガン、神殿にあったものはこれで全部だといいけれど…」
「アカネイア傭兵による追撃が懸念されます。すぐにカシミア海峡に出ましょう!」
「ああ。みんな、遅れを取るな!」
●これまでの流れ
アカネイア皇帝ハーディンによってグルニアの反乱を命じられた
しかし、グルニアはアカネイアの司令官ラングによって虐げられていただけだった
グルニアのロレンス将軍はマルスに王女王子を託しやむなく自害
しかし王子たちはラングに連れ去られ、アリティアは次に軍の反乱で王女ミネルバが囚われているというマケドニアへの遠征を命じられる
船でマケドニアの森に上陸し、警備していた竜騎士団を制圧
さらに進みマケドニアの反乱を平定するがミネルバの姿はなかった
ラングは次に、王子王女がさらわれたため追うように命じるが、マルスは拒否
ユベロ王子とユミナ王女を連れだしたオグマを追うことに(4章まで)
オグマが目指すのは王子と追うよと面識のあるウェンデルの住む村、そこへむかうためマケドニア・バイキングの地に入るが海賊に見つかる。そこでアリティア軍と合流。
一息つく間もなく、シーダによってアリティアが包囲されたことを知る。
アリティア軍は船でグルニアに戻り、ラングを倒しグルニアを開放する。
そこで囚われていたウェンデルと再会する。一行はウェンデルから星のかけらについて聞き、アリティアを取り戻した後、集める手助けをすることを約束した。アリティアの帰路にあるラーマン神殿にたちより、アカネイアのアストリアの傭兵団に追われながらカシミア大橋を渡る。