Love Your Cent(ゾラ連載)
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「来るんじゃねえ、クソ変態女!!」
いつも機嫌悪げに朝を迎え、頭をボリボリかきながらみんなの前に登場する男にしては、珍しい光景だった。
「ゾラくぅーん!
おねがああああい!私もう我慢できないのー!」
「おいクソチビ!見てねぇでなんとかしろ!」
「いやぁ、朝からお熱いですなぁお二人共!」
「テメェあとで締める!」
チャーミーお手製の朝ごはんにありつく黒の暴牛の団員たちは、面白そうにその光景を見る。
「二人とも! ご飯を食べるのらー!」
「あはは!朝から楽しそうだね!マグナ!僕達もヤろうよ!」
「テメェばかラック!飯食ってんだろうが!」
いつにも増して寝癖のひどいゾラと、それを追いかけるのは団の中でも一番の新入り、マレである。
エルフ、悪魔との戦いが終わり、半年後のスペード王国との戦いに向け特訓に明け暮れる中、彼女が入団したのは唐突だった。
マレ・ネレイスは海水魔法の使い手でそれなりの実力がありながら、魔法騎士団には所属せず、平和に暮らしていた。
あの日、幾人もがエルフに体をのっとられた際、彼女は周囲の人々を守り、戦っていた。
そして偶然にも、復活した魔法帝ユリウスを見つけ、目覚めたばかりで戦えない彼を、逃げ遅れた子供だと思い、かばいながら戦ったのだ。
戦いが一段落し、少年が魔法帝だったと知ったマレは、お礼に何が欲しいか聞かれた際にこう答えた。
「この騒ぎで家が壊れてしまいました。職場もです。このままでは一文無し、野垂れ死ます」
「そりゃあ大変だったね。新しく家を手配してあげたいところだけれど、、」
「しかし、家が壊れたのは私だけではありません。しばらく何処かに泊めていただければ、、」
「そうだ!いいことを思いついた。君、魔法も凄かったし!魔法騎士団に入りなよ!」
「ま、魔法騎士団に…!?」
「え、いやかい?」
「え、と、き、貴族が少ないところならば…」
「うんうん、そういいことなら……」
そんなわけで、貴族が少ないといえば、浮かぶ団は一つだけ。
マレはそういう経緯で、黒の暴牛に引き取られることになったのだ。
実際、ただでさえ力の大半を失ったユリウスは、目覚めたばかりではなおのことエルフ相手に戦える状態ではなく、マレがいなければ二度目の人生も早々に終わりを告げていただろう。
それ故に、ヤミも彼女に感謝し、黒いローブと部屋を与え、好きにさせてくれているのだ。
「ほらマレ、ご飯食べないとゾラを追いかける元気も湧かないわよ?」
ゾラと追いかけっこを続けるマレに、バネッサがそう呼びかけてやる。
「バネッサ!それはいえてる!」
マレはハッとしたように急ブレーキをかけると、いそいそと席につく。アスタに急かされ、息を乱すゾラもマレからなるべく離れて席についた。
「それにしても、いつも飽きないのね」
「飽きないよ!たまらないんだもの」
「そんなにあの男がイイわけぇ?」
「うん!香りがたまらなくて……嗅がないと禁断症状が…。」
「おい、クソ変態女、誤解生むだろうが」
ゾラが慌てて言うも、みんなニヤニヤしてその先を聞こうと促す。フィンラルに関しては羨ましい!と声に出すことは耐えたものの顔がそう言っている。
「おいおいゾラ、お前そんなにいい匂いなのか?俺にもかがせてくれよ!」
「こぉ〜ら坊やったら」
ラチが開かない。ゾラはめんどくさそうにため息をつくと、興味津々のアスタの鼻先に何かを乗せた。
「そ、それは…!!」
「えーーく、くっっさぁあああああ!!!」
「ちょっと何よこれー!!?」
「虹色カメムシさん!!いいなアスタにだけ!!」
臭い臭いと騒ぐアスタと、カメムシをくれと騒ぐマレ。
皆は察した。入団後なぜ彼女がゾラを追いかけていたのか。
それは決して甘い理由なんかじゃなかったのだ。
「こいつを欲する変態には滅多にお目にかかれねぇな」
「マレちゃん…なんて残念なんだーー!!」
ついにフィンラルが声を上げ、それはアジト中に響いたのだった。
いつも機嫌悪げに朝を迎え、頭をボリボリかきながらみんなの前に登場する男にしては、珍しい光景だった。
「ゾラくぅーん!
おねがああああい!私もう我慢できないのー!」
「おいクソチビ!見てねぇでなんとかしろ!」
「いやぁ、朝からお熱いですなぁお二人共!」
「テメェあとで締める!」
チャーミーお手製の朝ごはんにありつく黒の暴牛の団員たちは、面白そうにその光景を見る。
「二人とも! ご飯を食べるのらー!」
「あはは!朝から楽しそうだね!マグナ!僕達もヤろうよ!」
「テメェばかラック!飯食ってんだろうが!」
いつにも増して寝癖のひどいゾラと、それを追いかけるのは団の中でも一番の新入り、マレである。
エルフ、悪魔との戦いが終わり、半年後のスペード王国との戦いに向け特訓に明け暮れる中、彼女が入団したのは唐突だった。
マレ・ネレイスは海水魔法の使い手でそれなりの実力がありながら、魔法騎士団には所属せず、平和に暮らしていた。
あの日、幾人もがエルフに体をのっとられた際、彼女は周囲の人々を守り、戦っていた。
そして偶然にも、復活した魔法帝ユリウスを見つけ、目覚めたばかりで戦えない彼を、逃げ遅れた子供だと思い、かばいながら戦ったのだ。
戦いが一段落し、少年が魔法帝だったと知ったマレは、お礼に何が欲しいか聞かれた際にこう答えた。
「この騒ぎで家が壊れてしまいました。職場もです。このままでは一文無し、野垂れ死ます」
「そりゃあ大変だったね。新しく家を手配してあげたいところだけれど、、」
「しかし、家が壊れたのは私だけではありません。しばらく何処かに泊めていただければ、、」
「そうだ!いいことを思いついた。君、魔法も凄かったし!魔法騎士団に入りなよ!」
「ま、魔法騎士団に…!?」
「え、いやかい?」
「え、と、き、貴族が少ないところならば…」
「うんうん、そういいことなら……」
そんなわけで、貴族が少ないといえば、浮かぶ団は一つだけ。
マレはそういう経緯で、黒の暴牛に引き取られることになったのだ。
実際、ただでさえ力の大半を失ったユリウスは、目覚めたばかりではなおのことエルフ相手に戦える状態ではなく、マレがいなければ二度目の人生も早々に終わりを告げていただろう。
それ故に、ヤミも彼女に感謝し、黒いローブと部屋を与え、好きにさせてくれているのだ。
「ほらマレ、ご飯食べないとゾラを追いかける元気も湧かないわよ?」
ゾラと追いかけっこを続けるマレに、バネッサがそう呼びかけてやる。
「バネッサ!それはいえてる!」
マレはハッとしたように急ブレーキをかけると、いそいそと席につく。アスタに急かされ、息を乱すゾラもマレからなるべく離れて席についた。
「それにしても、いつも飽きないのね」
「飽きないよ!たまらないんだもの」
「そんなにあの男がイイわけぇ?」
「うん!香りがたまらなくて……嗅がないと禁断症状が…。」
「おい、クソ変態女、誤解生むだろうが」
ゾラが慌てて言うも、みんなニヤニヤしてその先を聞こうと促す。フィンラルに関しては羨ましい!と声に出すことは耐えたものの顔がそう言っている。
「おいおいゾラ、お前そんなにいい匂いなのか?俺にもかがせてくれよ!」
「こぉ〜ら坊やったら」
ラチが開かない。ゾラはめんどくさそうにため息をつくと、興味津々のアスタの鼻先に何かを乗せた。
「そ、それは…!!」
「えーーく、くっっさぁあああああ!!!」
「ちょっと何よこれー!!?」
「虹色カメムシさん!!いいなアスタにだけ!!」
臭い臭いと騒ぐアスタと、カメムシをくれと騒ぐマレ。
皆は察した。入団後なぜ彼女がゾラを追いかけていたのか。
それは決して甘い理由なんかじゃなかったのだ。
「こいつを欲する変態には滅多にお目にかかれねぇな」
「マレちゃん…なんて残念なんだーー!!」
ついにフィンラルが声を上げ、それはアジト中に響いたのだった。
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