死神
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とりあえず雀荘を出て、どちらが何か言った訳ではないが同じ方向に歩き始める私と赤木。
そして、私が寝ている間に起きた話を聞いて驚愕した。
赤木は麻雀初心者にして、見事な立ち回りでヤクザとその代打ちに勝ったこと。
南郷さんは、株やギャンブルで抱えた借金の棒引きをして貰うためにあの雀荘でヤクザたちと麻雀をやっていたこと。
「赤木さんって、案外喋ってくれるんですね。」
「求められれば、それなりには喋るよ。」
気付けば雨は上がっていた。
空は白んでおり、周辺の家や定食屋からは煮物か焼き魚のいい匂いが漂ってくる。
「...あとさ、頼みがあるんだけど。」
「なんですか?」
ちらりと、赤木の顔を見る。赤木は私の瞳をしっかりと見つめつつ、立ち止まった。
「もう、猫被るのやめたら。少なくとも、俺の前では無意味だ。敬語も要らないし、アカギでいい。」
「...分かった。初心者だっていうのに麻雀打って、ヤクザ達を打ち負かすような人間だもんね。私の被ってる猫くらい、そりゃ見透かされるか。」
敬語については、ある意味癖の様なものではあるけれど。辞めようと思えば可能。それに、確かに言われてみれば同い年であろう彼に対して丁寧な敬語を使うというのは気色が悪いような気がする。私は納得した。
私たちは再び歩き出す。
「アカギ、家は?」
「フフ、何、俺の家が知りたいの?」
「馬鹿、違う。私の家はこっちの方向だけど、アカギは帰る方向あってるのかなって単純に。」
「まァ、普段住んでる家には帰りづらいかな。適当に野宿か、宿でも探すよ。」
何故帰りづらいのか。それは聞かないことにした。きっと碌でもないことに巻き込まれて、数時間前の私と同じく、誰かに追われているのか、はたまたまそういう可能性があるのか。
次の瞬間、私は気付けばこう口走っていた。
「──私の家、来る?」
そして、私が寝ている間に起きた話を聞いて驚愕した。
赤木は麻雀初心者にして、見事な立ち回りでヤクザとその代打ちに勝ったこと。
南郷さんは、株やギャンブルで抱えた借金の棒引きをして貰うためにあの雀荘でヤクザたちと麻雀をやっていたこと。
「赤木さんって、案外喋ってくれるんですね。」
「求められれば、それなりには喋るよ。」
気付けば雨は上がっていた。
空は白んでおり、周辺の家や定食屋からは煮物か焼き魚のいい匂いが漂ってくる。
「...あとさ、頼みがあるんだけど。」
「なんですか?」
ちらりと、赤木の顔を見る。赤木は私の瞳をしっかりと見つめつつ、立ち止まった。
「もう、猫被るのやめたら。少なくとも、俺の前では無意味だ。敬語も要らないし、アカギでいい。」
「...分かった。初心者だっていうのに麻雀打って、ヤクザ達を打ち負かすような人間だもんね。私の被ってる猫くらい、そりゃ見透かされるか。」
敬語については、ある意味癖の様なものではあるけれど。辞めようと思えば可能。それに、確かに言われてみれば同い年であろう彼に対して丁寧な敬語を使うというのは気色が悪いような気がする。私は納得した。
私たちは再び歩き出す。
「アカギ、家は?」
「フフ、何、俺の家が知りたいの?」
「馬鹿、違う。私の家はこっちの方向だけど、アカギは帰る方向あってるのかなって単純に。」
「まァ、普段住んでる家には帰りづらいかな。適当に野宿か、宿でも探すよ。」
何故帰りづらいのか。それは聞かないことにした。きっと碌でもないことに巻き込まれて、数時間前の私と同じく、誰かに追われているのか、はたまたまそういう可能性があるのか。
次の瞬間、私は気付けばこう口走っていた。
「──私の家、来る?」