私は叔父さんが本当に私に会いに来なくなって、心底寂しかった。この時ばかりは部屋に篭ってばかりのお母さんの事なんて頭の片隅にもなかった。
何で叔父さんは来なくなったのだろう。

何か叔父さんの身に起きたのだろうか。
私は何かしてしてしまったのだろうか。
私の事が嫌いになったのだろうか。

…ただただ、私の事をもう見捨てたのだろうか。
ずっと考えていた、何もかも全部夢だったらいいのにと。
｢ははは」とすごく冷めた笑い方をしたのが自分でもよくわかった。



すでに私は可笑しくなっていたのだ。私が悪い。全部全部全部私のせい。
最初から叔父さんに助けを求めていれば何か変わったのかも知れない。でも私は1度拒んでしまって他の誰かにも言い出せず、ずるずると悪い結末へと辿りつこうとしてるのだ。
とうとう私は耐えきれずお守りのように握りしめてて皺がよった封筒を開けた。












あの手紙には簡潔に誰のかは知らないが電話番号と住所が書かれた紙と20枚のお金が入っていた。
私はまず電話をかけた。
ワンコールも立たずコール音が止んだ。
『もしもし』
叔父さんだ！この声は叔父さんだ。ずっと聞きたかった叔父さんの声だ。
どん底まで沈んだ気分が急上昇に上がっていく。ぴょんぴょんと野原をかけるまわる勢いだ。
『育ちゃんだね』
｢うん、そうだよ。育、老倉育だよ｣
『久しぶり、元気にしてた？…いや聞くまでもなかったね』
『この電話番号に掛けてきたということは、何か困ったことでもあったのかな？』
｢あ、うん。お母さん。お母さんがお部屋から全然出てこなくて、ご飯も食べてくれないの…叔父さん、私はどうしたらいいの？」
『…ああ……そうだね、お母さんに声を掛けて見たかい？』
｢うん、声掛けたけど、全然お返事してくれないの｣
『そう、じゃあお母さんの居る部屋に鍵はかかっている？』
｢うん、かかってる｣
『そっか…最後の質問だ。何か変な臭いはしないかい？』
｢ううん、全然しないよ｣
『…そう』
叔父さんはしばらく黙ると此処に今から来ると言った。
私は電話が切れた後急いで受話器を置き急いで部屋の片付けへ取り掛かった。

家の中は随分と汚いから綺麗にしなくては