男主　黛　紬　（まゆずみ　つむぎ）

異能力　「夢綴」


黛は平凡な日常に飽きていた。
いつも通り朝に起き、いつも通り学校へ行き、いつも通り放課後バイトに行き、いつも通り家に帰り夜に寝る。そんな平凡な生活の繰り返していたのだ。
黛は今の日常を壊したかった。
休日のある日喫茶店で読書をしていると、予定通り足元に鞄があった。
誰にも言ってないが黛には異能力がある。







「はあーあ、また死にぞこなってしまった」

「そろそろねえ…やめて欲しいんだよ」
「太宰の仕事がほぼ部下である僕の仕事に割り当てられて、僕の仕事が増えるから！」

「いやあ、今回はいけると思ったのだよ」
「木が折れなければ痛くもなく苦しくもなく死ねたのに…」
「…まったく今日の私は運が悪い」

「今日も！今日も運が悪いんでしょ…」
「毎日の如く今日も失敗してたけど、太宰は本当に運が悪い」

「紬が手伝ってくれれば死ねるかもしれないねえ…」

「やめてよ、僕は自殺教授や命令のない殺しはしない」

「…命令をしたら殺してくれるの？」

「殺して欲しいの？」

「うん」
































「冗談」
「…考えなくてもわかるでしょ、友達を殺すわけがない」




























































仕上げにグレイビーソースが入った小皿を鉄板の上でジュージューと焼ける肉の上にかけた。
肉や鉄板にかけられたグレイビーソースが少し蒸発しフョードルの周りをワインの香りが漂う。
肉刀で肉を一口大に切り分け口へ運ぶ。
繰り返し肉刀で肉を切り口へ運ぶ。

最後の一口を食べ終えると一つため息を溢し満足そうに一言言った。

「貴方は僕に別れを告げましたが、やはり僕は許せそうにありません」
「もう少しだけ僕の側に居てくださいね」