テニスの王子様
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「ヒカル!」
「あ」
「……なにその大量の紙袋」
しまった、という声を出してしまった…プッと心の中で笑うも、正直それどころじゃない。
別にやましいことはないが…全く後ろめたくないかと言われるとそうとも言いきれないのが難しいところだ…と
バレンタイン仕様のチョコが入ってるだろうそれらに視線を泳がせる。
「あー…これは、」
「全部サエさんのだよね!?そうでしょ!?そうだよね!??」
「…だいたいそう」
「全部そうってことにしてサエさんに渡して!!!」
「そういうわけにもいかないだろ…」
詰め寄る勢いに押されつつも、そう答えるとなまえは頬を膨らませた。
本当にほとんどサエさんへ、と頼まれたもので俺のものは1つか2つだ。
こうなるのも分かっていたから直接渡された分は断ったが…
流石に勝手に置かれてるのはどうしようもないから諦めて欲しい…
なんて理屈で納得するわけないのは今までの付き合いで分かりきってることだから口にはしない。
まぁ、言わなくてもなまえだってそれは分かってるだろうが
それでも、ジトッとした目で俺を見るなまえにどうしたものかと考え、とりあえず謝る。
「………」
「ごめんって」
「…そりゃヒカルはダジャレが寒いだけで顔いいし?ガタイもいいし?かっこいいけど?」
「ダジャレは寒くないだろ」
「そこじゃないし!!」
「……」
「私が彼女なの!ヒカルは私のなの!!」
「うん」
面倒くさくないわけじゃないが、こういうのをストレートに言われるのは正直嬉しい。
あと、頬を膨らませて拗ねてるのは可愛い。
「何目閉じてんの!?起きて!私の話を聞く!!」
「やきもきヤキモチで焼き餅、頬が…プッ」
「つまんない!ちゃんと聞いて!!」
「聞いてるだろ…ヤキモチ可愛いなと思っただけだ」
「…本当?」
「真面目、マジで…プッ」
「つまんない」
「ひどい…」
「ひどくない」
「じゃあ…チョコをちょこっとあげる」
「つまんないしいらない!」
「笑う暇もないほどつまんない連呼されたら流石に泣くぞ」
「それはちょっと見たい」
「ワンワンがわーんと鳴く…プッ」
「………」
「痛て…グーで殴るのはダメ」
「…」
一瞬 機嫌が直りそうだったが、ダジャレが気に入らなかったらしく 腕に一発入れられた。
乙女心は難しい。
でも、なまえの機嫌を治す方法なら知っている。
「そんなに拗ねなくても、なまえが一番」
「……絶対?」
「あぁ、間違いない。断トツだ」
「……何してくれる?」
「そうだな…いつものパフェを食べに行こう。俺からのバレンタインだ」
「!…仕方ないからそれで許してあげる」
そう言いつつも口元はニヤけているのが、可愛い。
そんなことを思いながら
「じゃあ早くサエさんにこれ渡しに行こう」と荷物を片手に寄せて空いた手を差し出せば
すっかり上機嫌ななまえが、それはもうとびきりの笑顔で応えてくれるのが
また、可愛くて。
ベタベタにベタ惚れ
ちょっと面倒なところも、込みで。
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