テニスの王子様
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「春くん!」
「おう、なまえか。どうした?」
「デートしよ!」
「お前なぁ…自分の部活はどうした?」
昔っから 他の奴らが「バネ」と呼ぶ中で
『みんなと同じじゃやだ!なまえだけトクベツがいい!いつか結婚するんだもん!』とか騒いで
「春くん」と呼ぶのがなまえで
それだけ好意を向けられて 嫌いになれるわけもなく
ただ、2つ歳が離れてると妹のようにも思えて
いつもひっついて回るなまえの言葉を話半分で聞いていた。
『サエやダビデじゃなくていいのか?』
『春くんがいいの!!』
『分かった分かった』
『絶対わかってない!!』
そうは言っても、偶然近くに居たのが俺だっただけで
サエやダビデじゃないにしろ、もっと他に目を向けりゃ いい奴はいくらでもいる。
そう思って『お前がもうちょいデカくなったら考えるけどなー』とか適当に躱してたんだが…それもそろそろ限界らしい。
すぐデートだの何だの言ってくるし…
サエにも『観念したあげたら?』とか言われてる。
「ねぇ〜!行こうよ~!」
「他に誘う奴居ねぇのか?クラスとか部活の奴とか」
「春くんよりいい人居るわけないもん!」
「そーかよ」
「ね、ダビデもバネさんが一番格好良いと思うでしょ?」
「おいおい、ダビデを巻き込むな…」
なまえのフリを待ってましたと言わんばかりにダジャレを披露するダビデに蹴りを入れて
昔と変わらず俺を追いかけてるなまえと目線を合わせる。
これでも最近は割と真剣に考えたりもしてんだぜ?
選ばれないことにビビっちまってんのは、案外俺の方かもしんねーな。
とかよ。
「なーに?」
「今日はどこ行きてーんだ?」
「今日はね、文房具屋さん」
「…」
「ノートなくなっちゃうから。春くんと同じのにする」
「…それ、ついていくの俺じゃないと駄目か…?」
「絶対 春くんじゃなきゃやだ!」
デート、なんて言っておきながら そんな幼さの滲む言い分に
分かった分かった、と笑って なまえの頭を撫でてやる。
「お前はいつまでたっても可愛いまんまだな」
「あー!子供扱いだめ!!」
バタバタと手を動かして、撫でてくれるのは嬉しいけど!と線引きの難しいわがままを言うのがまた笑えて
そういうつもりじゃねえんだけどな、
ってのは…なんとなくだが まだ言わずにとっといた。
「あーっどこいくの!?デートは!?」
「部活終わってからだ。大人しく待ってな」
「…うん!!」
俺の言葉に 嬉しそうに大きく頷く、
お前の
気が変わらないうちに
選ぶ
決心しねーとな、俺も。
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