テニスの王子様
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「あっつ……」
「あついな~」
「…そう思うんやったら離れるやろ、普通」
「だって光、ひんやりしてて気持ちいもん」
「……」
「なんでどっか行こうとすんの?」
「暑い言うてるやろ…」
帰ったばっかりの部屋は まるで蒸し風呂で
つけたはずの冷房の風は未だに部屋ん空気と混ざって冷たくもなんともない。
体温低い俺からしたら 夏ってだけで地獄やのに
一歩も動きたなくてベッドに倒れこんだのを
追いかけるように上がってきて抱きつかれると正直ダルい。
「冬は散々 私のこと湯たんぽ扱いしてたやん!」
「…」
「夏になったんやから、光をアイスノン扱いしたってええやろ?」
「その理屈ないわ」
「えー、あるし!」
「ないわ」
「自分ばっかズルい」
「狡ない」
ズルい~!!と不満たらたらな腕から抜け出したとこでベッドの端に寄るんで精一杯
コイツ体温高いから冬はええけど夏はな…てうんざりしてたら 結局また後ろから抱きつかれて諦める。
逃げるために動く方がダルいわ…そのうち冷房効いてくるやろし…と思て我慢決めても
「…あつ…」
なまえからじわじわ移ってくる熱で もうそれしか言うことない。
「光そればっかし!いいやん、ぬくいやん」
「暑い」
「ぬくいー」
「一緒やろ…」
「ちがうし!暑いんは嫌やけど、ぬくいんは気持ちええやん?」
「いや、知らんけど」
なんの理屈か、そんな意味不明なこと言われたところで
エアコンから流れてくる生ぬるい風を受けながら、これのどこが気持ちええんか全然理解できへん…とぼーっとした頭で考える。
「ええよ、別に。光が分かってくれへんくても異論は認めへんからな~」
「ウザいな…」
「それ!先輩らに言うのはええけど私にはなしやって!」
「先輩らはええんか」
「あの辺はそのツッコミ待ってるとこあるからな!でも彼女にウザいはアカンやろ普通に!」
上半身を起こして俺の顔を覗き込んでくるなまえに
もう答えるんすら面倒くて
「聞いてるんー!?」
「…」
「ひ か る!」
「……」
「死んでるやん」
「…」
首ひっつかんでキスしたった。
「ええ加減 静かにせぇ」
「………」
「……」
「………」
「……」
「…今日ブログ書いた?」
「…………まだ」
「なら、あとでかき氷でも食べに行こうや。涼しい写真撮れるできっと」
「……後でな」
それから俺の後ろに戻って、抱きついてはきたけど
しばらく、えらい静かなったな思て身体起こしたら なまえは寝とった。
部屋の温度も、エアコンの風も 冷たなって
スッキリしてきた頭が
ポケットに入ったままのスマホの存在を思い出す。
ごそごそと動いても、
身体に乗せられたままの腕が
『ぬくい』
そんなことを思いながら
かしゃり、とフォルダに1枚の写真を保存した。
相補エンタルピー
ブログのネタにはならんけど、1枚くらいええやろ。大人しくアイスノンになったってんから。
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