一緒にいるための方法
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「あっ、日吉だけなまえさんと話してずるい!俺も混ぜて」
そう声をあげながら、にこにこと駆け寄ってくるちょたに
日吉くんはとても不服そうな顔をした。
「何も狡くないだろ」
「俺は少しでもなまえさんと居たいんだよ。知ってるだろ?」
「この前までウジウジしてたくせに開き直るな。……何笑ってるんですか、マネージャー」
「え?あぁ、敬語じゃないちょたがなんだか新鮮で…かわいいなって」
「え、」
「……」
流石に3年生相手だとこんなにオープンに寄って来ることはないけど
前よりも、少しフランクになった感じも含めて つい ちょたを『かわいい』と口にしてしまうと場が静かになってしまって
静かに眉をひそめた日吉くんに、この後の展開も含めてごめんね というように苦笑を送る。
「日吉、俺…どうしたら格好良くなれると思う…?」
「俺に聞くな」
「だって、可愛いって…!」
「もういいだろ何でも…」
「良くないよ!」
ちょたがそういうところに案外こだわるのを知ったから
その『可愛い』が好意的な意味であったとしても
私からは『格好いい』と思われたいのが手に取るように分かって
それもまた、可愛いと思わせる一因なことに気づいてないんだろうなと 二人のやりとりを見ながら微笑む。
「今日お前ウザいな」
「えっ酷い」
「ウジウジしてるよりマシだが、浮わついて足元を掬われても知らないからな」
「分かってるよ…」
ツンとして立ち去る日吉くんの言葉から
なんだかんだ言ってもちょたを心配してくれているのが窺えると
ちょたとはまた違う可愛らしさを感じて そのままを口にした。
「日吉くんも可愛いところあるよね」
「えっ…」
「?」
「……ひ、日吉と俺どっちの方が可愛いですか!?」
「え…?それは 絶対ちょたかな」
「……良かったです」
「ふふ、無理に喜ばなくても良いんだよ?」
可愛いと言われることには複雑そうな顔をするのに
それでも自分の方が、と対抗心を持つのが少し面白くて笑いがこぼれる。
うぅ…そうなんですけど…つい…と視線を落とした先でふわっと表情を緩めたちょたが
胸元のペンダントと、それに重なったリングを一撫でする。
『ずっと一緒に居られますように』
ただの飾りのような、それでいて飾り気は何ひとつない
彼のどの指にもはまりそうもないその小さな輪っかは
二人の手のひらで挟んで そんな言葉をのせた
お守りみたいなもの。
「…色んなこと、頑張れそう?」
「はい。これがあると、なんでもできる気がします」
そう言って いつか見た
照れくさそうな、でも嬉しそうな笑顔を見せて 私の手をとる。
「俺 いつか もっと自信をつけて、なまえさんに一番格好いいって思ってもらえるような男になりますから!」
「!」
「ずっと 見ていてくださいね」
“ずっと”
その言葉を何度も 重ねて、重ねて
確かめ合うように
誓い合うように
その笑顔をいつまでも見られるように、私も頑張ろう。ってそんな決意を込めて「ずっと 見てるよ」と私は答えた。
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