一緒にいるための方法
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屋上で『今日のお昼は行けるのギリギリになっちゃうかも…』と言っていたなまえさんを待っていたら
クラスの子に声を掛けられて
そこから振られるがままに、他愛ない話をしていて。
そういえば…なまえさん 遅いなって
ふと、頭に浮かんだ直後に予鈴が鳴って驚いた。
行けない可能性もある、って言っていたし 残念だけど仕方ないか…と
そういう場合に届いているメッセージを確認しようと画面を見て声を失う。
『遅くなっちゃってごめんね。お話中みたいだったから、今日はこのまま教室に戻ります。また放課後、部活でね』
その文面は、なまえさんがここに来ていたことを示す内容で
慌てて辺りを見回しても居るはずがなくて、身がすくむ。
動転した頭で浮かぶのは自己嫌悪ばかりで
自分を責めるような強く早い鼓動が
今すぐ走って謝りに…、なんて考えを生む。
「鳳くん、教室戻らないと授業始まっちゃうよ?」という
クラスメイトの声で我にかえったけど
自責の念が消えるはずもない。
『理想的な恋人』になろうと
そう、決めたばかりなのに
何をしてるんだ、俺は。
「なまえさんっ!」
「!」
「すみません俺…、本当にすみません…っ」
「ちょた?どうしたの…?」
「お昼、俺…っ、」
「…こっちで話そう?」
部活前にどうしても謝っておきたくて
放課後、3年の教室から出てきたなまえさんに駆け寄って頭を下げた。
そんな俺の普段とは違う様子に、
なまえさんは手を引いて、人の少ない空き教室の前まで連れてきてくれる。
そんなことすらも、なんだか情けなく思えて強く目を閉じた。
「…どうしてそんなに泣きそうな顔してるの?お昼、何かあった?」
「なまえさん…来てくれていたのに 俺、気づけなくて…」
「そんな…気にしなくていいんだよ?お話してたんだから」
分かってた。なまえさんはきっと気にしてなくて
俺が必死になって謝る理由も見当がつかないだろうなって。
それでも俺は、何度も首を横に振って
自分が悪くて、謝って、許してもらいたいんだと
伝えたかった。
「だって、沢山待たせてしまったと思うと…」
「少しだから、そんなに気に病まないで?」
「…本当に時間ない時は、なまえさんは必ず『行けない』って連絡をくれるじゃないですか…」
「…本当に少しだったよ?それに、たまにはそんな日があってもいいんじゃない?」
「……俺は…!…なまえさんと、過ごしたくて…」
あぁ、だめだ。
こんな風に 言ったら、
「…ごめんね、今度はちょたが誰かとお話してても ちゃんと声をかけるから、そんな顔しないで?ね?」
「………ごめんなさい、」
「謝らなくていいんだよ?大丈夫だからね」
謝りたいのは俺の方なのに、うまく伝えられなくて
なまえさんに謝らせて、気を遣わせて…情けない。
これじゃ、子供がわがままを言ってるみたいだ。
俺が逆の立場だったら
なまえさんが自分の知らない男と いつまでも談笑してるのは、とてもじゃないけど見ていられない。
想像しただけで胸の辺りが気持ち悪くて、気持ちが真っ暗になる。
きっとなまえさんはこんな風に思ったりしないだろうけど
それだけのことをしてしまったことに
俺自信が耐えられなくて
「…ごめんなさい、」
「!ちょた…?」
抱き締めてもいいですか、って聞く余裕もないまま
背中を丸めて縋るように抱きしめる俺は
きっとかっこ悪いんだろうな、と余計心に影を落とす。
情けなくて、格好悪くて、こんな姿見られたくないけど
でも、どこにも行かないで欲しくて
どうしたら
この不安から
解放されるんだろう