本当の家族
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「遊星…お前はまだ鬼柳を諦めていねぇのか」
次の粛清の地とやらで鬼柳とのデュエルに臨む遊星の目を見れば、アイツはまだ鬼柳を救うつもりなんだと分かる。
その目は、昔とちっとも変わらねぇな と思う。
お前も、なまえも、鬼柳のことを、昔のことだなんて思っちゃいねーんだ。
そりゃあ俺だって
アイツらを救うために倒さなきゃなんねぇダークシグナーが
なんで よりにもよって鬼柳なんだ、とは思う。
鬼柳とは、別れ方こそ悪かったが俺だって感謝してる。
チームを組んでた頃はマジで楽しかったんだ。
それでも、
サテライトを制覇した後の鬼柳のやり方に嫌気がさして一番にチームを離れたのは俺だ。
その頃の鬼柳はなまえにまで冷たくあたることもあって
それだけが気がかりで、チームを抜けた後もなまえがひとりアジトに残ってるタイミングを見計らっては顔を出してた。
一度だけ「一緒に行くか?」と声をかけたが
「京介がひとりになっちゃうから…私は行けない」と言うなまえを見て、正直 羨ましかったのをよく覚えてる。
血が繋がってなくたって、本当の家族のように思い合える関係が。
それは、俺がそこに取って代わりたいとかそんなことじゃなくて、二人にはずっとそういう関係であって欲しかったって、そういう感情だったと思う。
昔の鬼柳は誰よりも仲間を、なまえを、大事にする奴だったから
それ以上、俺も何も言わなかったし
鬼柳がセキュリティに喧嘩ふっかけた時も、必死に鬼柳を助けようとした。
それは鬼柳のためでもあったし、なまえのためでもあったけど
結局、セキュリティ相手に あの時の俺達じゃ どうにもならなかった。
「どうして最後まで俺と一緒に戦わなかった!セキュリティの軍門に下った!その行為自体が俺たちを、チームサティスファクションを売ったということだろうが!」
「鬼柳…」
「なぁ、セキュリティに歯向かった奴がどういう末路を迎えるか分かるか?」
「俺たちは何度も面会に行った!だが、お前と会うことはできなかった。やがて、お前が死んだという知らせが……」
「そんな単純な事じゃねぇ!!」
鬼柳の悲痛な叫びが、分からないわけじゃねぇ。
俺だって子供達を奪われて、許せなくて、ボマーと戦ったんだ。鬼柳をとやかく言う資格はねぇ。
どうにもならねぇ感情は 確かにある。
けど、なまえが居なくなって分かったこともあった。
なまえがいつまでも鬼柳を忘れられねぇのも
会える望みを捨てられねぇのも
今なら痛いほど よく分かる。
ケリなんか…つけられねぇよ。
どんな形だっていい。
昔とどんなに変わってても、例え恨まれていたとしても…
それでも……会えるもんなら会いてぇと、思わずにはいらねぇ。
例えそれが どんな結果になるとしても
今なら、俺より なまえの気持ちを優先してやれる。
そう 思えたってのに、
お前は
消えちまうんだよな…鬼柳。