American lemonade
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関東大会準決勝、王城ホワイトナイツとの試合
雨が降り続く中、
ムサシ先輩のキックで先制点を入れて 喜んだのもつかの間、
光速の巨大弓-バリスタ-と進先輩の完璧なプレーに
ヒル魔先輩が暗号でまもりお姉ちゃんに何かを指示して
それに驚きつつもテープを持って走っていくまもりお姉ちゃんを
渡されたビデオを片手に、私はただ見送っただけ
進先輩に倒されたセナが「悔しくて」と涙を流すのをただ見守っただけ
20分のハーフタイムの間
後半へ向けて思い思いに時間を使う皆を見て、
私って、何ができるんだろう。
そう、思っただけ。
ハーフタイムが終わって同点に追いついても離されて
また追いついても、また離されて…試合終了まで、
残った時間はたったの1秒。
雪光先輩に代わってフィールドに戻ろうとするセナに
アイシールドのついたヘルメットを差し出したのは、鈴音ちゃんだった。
「ありがと鈴…音…?」
「言わないで、分かってるから。盛り上げ隊長のクセにちょっち震えてやんのって、分かってるから」
「……」
「…西部戦で やっぱり今みたく最後にキックオフ勝負になって…負けちゃった。もう二度とみんなであんなの悲しすぎるから…!私は…応援しかできなくて!セナ、絶対、絶対…!!」
「…大丈夫、勝ってくるよ。鈴音」
そう言ってフィールドに戻っていくセナを少し遠くから、鈴音ちゃん越しに見送る。
すっかり男の人になったね。
今の、りっくんに負けないくらいかっこよかったよ、セナ。
でもそれはきっと、声をかけたのが私でもまもりお姉ちゃんでもなくて
鈴音ちゃんだったからだって、私は思う。
いいなぁ、って思っちゃったの。
二人を見て
同じ場所に立って、すぐ傍で 大切な人を応援できるって
いいなぁ、って…そう思ったの。
私にはいつも、背中しか見えないから
私は、まだ何もできなくって
待ってるだけしかできないけど、
ただ、その背中を見つめて
振り向いてくれるのを待つんじゃなくって
いつか私も
隣に並んで応援できる私になれたらいいなって、そう 思うの。
Mary Pickford-メアリー・ピックフォード-
【羨望】