American lemonade
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『今日は本当にありがとう。
手袋、大切にします。』
『今日は鈴音ちゃんに沢山 昨日の事聞かれて大変でした。
でも、手袋可愛いねって言ってもらえて嬉しくて…』
『ベストイレブンの表彰、おめでとう!
セナとりっくん二人とも選ばれてて、すっごく嬉しいです!』
『今日の抽選会、髪切ってたの
前よりちょっと大人っぽく見えました。』
『セナ達も神龍寺戦に向けて頑張って練習してます。
りっくんも、今日も練習頑張ってね。』
1日に2、3通 決して多くはない そんな割合で返ってくるなまえからのメールは
いつも微妙に堅苦しくて、つい小さく笑ってしまう。
練習の後や、何時間もビデオと顔を突き合わせる合間なんかに
ふと思い出しては俺も返事を送る。
なんて返そうか、と考えてる俺の後ろをキッドさんがトン、と肩を叩いて通った。
「おつかれさん。…最近機嫌いいねぇ」
「…そうですか?」
「…少なくとも皆にはそう見えてるみたいよ。牛島達が陸に彼女でもできたんじゃないか、なーんて騒いでたからねぇ」
「…彼女、ね」
あの人見た目と違ってそういう話好きだよな、なんて
明後日の方向を見ながら思っていれば、ベンチに腰掛けたキッドさんが小さく微笑む。
「体育祭で見たお嬢さん、」
「!」
「かな、メールの相手」
その言葉に流石キッドさんだな、なんて苦笑して。
まぁ…キッドさんのことだから、泥門の体育祭見に行った時には気付いてただろうけど
そうか、牛島さん達にも分かるくらい態度に出てるのか…。と最近の自分の行動を思い返す。
「髪も切って、練習も気合い入ってるみたいだしねぇ。って、あんま野暮なこと言うもんじゃないか」
「…『彼女』ではないですけどね、」
「…そーかい」
『今はまだ』くらいのニュアンスが混じった俺の言葉に
キッドさんは分かってるよ、とでも言いた気に帽子を被りなおして。
俺は持っていた携帯を手の中で転がす。
「でもなんかね、全然関係ない内容でも やる気出るんですよ。不思議と」
「…」
「髪は気合入れなおしただけです。改めて、俺は 誰にも負けないってね」
「そりゃ頼もしいねぇ」
「かっこ悪いとこは見せられませんから」
『誰に』なんて、そんなのは決まってる。
「次やる時はセナにだって負けませんよ」
「泥門か…、」
「決勝でホントの決戦するって約束したんで」
「…セナ君のとこの初戦、神龍寺でしょ。客観的に見れば、勝てるのは奇跡みたいな確率でしょうに…」
「泥門なら、それくらいの奇跡起こしますよ」
「…ったく、怖いねぇ」
なんてキッドさんは言ったけど
「ほら、言ったでしょ」
無敗の神なんて呼ばれてた神龍寺が敗れて
ギリギリの勝負に沸く会場の中で一人
別の場所で試合の結果を見てるであろうキッドさんに向けて呟く。
俺は、セナ達ならやれるって信じてたんだ。
ホントに起こしたな、
奇跡
「…すごかったぞ、セナ」
Ram cooler-ラムクーラー-
【称賛】