American lemonade
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「二人とも、はよっす!!」
「モン太!おはよう」
「お、おはよう」
後ろから元気な声が聞こえてセナと二人で振り向けば
最近入部したモン太くんが、バナナを片手に走り寄ってきて
朝ごはんくらい ゆっくりお家で食べてくればいいのになぁ…なんて思いながら挨拶を返す。
そんな私と隣に居るセナを、モン太くんは交互に見てうーんと唸る。
「初めて会ったときも思ったんだけどよ…」
「?」
「あ、野球のボール拾ってって言われた時?」
「そーそー。お前ら仲良いよなー。あれか?お前らってもしかして付き合ってんのか!?」
「「いやいやいや…」」
モン太くんの問いに二人同じようにして手を振って
確かに小学校でも中学校でもそういう風に言われたことはあったけど、全然そんな感じじゃなくて
皆やまもりお姉ちゃんには頼りなく思われてるみたいだけど
私にとってセナはとても優しい、歳の近いお兄ちゃんみたいな感じで。
「なまえとは仲良いっていうかなんていうか…」
「お母さん同士が仲良くて…兄妹みたいな感じ、かなぁ…」
「そうそう。それになまえには陸が居るし…」
「…へ!?」
「何だぁ!?彼氏居るのかよ!まぁ、まもりさんほどじゃないにしろ、なまえもかなり可愛いもんな。居ないわけねぇか…」
「いや、いや、りっくんは、全然 そういうんじゃなくって…!」
セナの突然の発言に動揺しているうちに、話がどんどん進んでいく。
どこから否定すればいいのか分からずオロオロとする私を置いて、進み始めた話は
王城戦の日以来、確かめあぐねていた核心にぶつけられる。
「じゃあ好きな奴か!」
「……や、すき、というか…また会えたらいいなぁ、って思ってるくらいで…。いや、でも、そもそも私のこと覚えてないかもしれないし…それに、……」
りっくん昔から勉強もできて、走るのも早くて、優しくて、かっこよかったから
そんな人が彼女居ないわけないよね…?っていうか絶対居るよね…
それなのに今さらハンカチとか返しても迷惑になるだけなんじゃ…って、だからそもそも覚えてくれてるかどうかも分からなくて、会えない可能性だって全然ありうるわけで…
なんて、結局いつもと同じことをぐるぐると思案して 答えが見つからないまま考えるのを止める。
だって全然会える気がしない…
「……」
「…なまえのやつ無言になっちまったぞ、セナ」
「マイナス思考が目に見える…」
「そんなに見込みねーのか?」
「仲は良かったよ?でも小学校で少し一緒だっただけで、すぐ引っ越しちゃったから…」
「ふーん…。でもよ!そんな落ち込むくらいなら諦めんなよ!頑張ろうぜ!!」
ばしっ、と背中を叩かれて現実に戻っても
頑張るって具体的に何をすれば…なんて新しい疑問が浮んで「えっ…う、ん…?」と曖昧に返した。
「会ってみなきゃ分かんねーだろ?」
「…うん」
「とりあえず会えてから考えようぜ!絶対どっかで会えるって!!案外近くの高校かもしんねーしな!」
「そうだよ なまえ。試合で他の学校行ったりするし、どこかで会えるかも!」
「うん、」
「…ところで、まもりさんは付き合ってる奴とか居んのか!?居ねぇよな!?」
「「……居ないと思うけど…」」
「よっし!チャンスMーーーAX!!アピールあるのみ!!」
まずは朝練で完璧なキャッチを…なんて言いながら跳び跳ねるモン太くんにセナと二人で苦笑いをこぼす。
モン太くんて、なんかすごいなぁ…色々な意味で
でも
「俺だって今はまだ全然相手にされてねーけどよ、なまえも諦めねーで、お互い頑張ろうぜ!!」
何だか元気を貰った気がする。
「…うん!」
まず
きっとまた会える
って思うところから、私は 頑張ろう。
Currant Sunrise-カラントサンライズ-
【希望】