2.43清陰高校男子バレー部
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「勇飛」
工業高校で名前を呼び合う男女を見れば
女子の少なさ故に飢えに飢えた奴らが鬼の形相で
『何やおい!お前もしかしてみょうじさんと付き合うてるんけ!?』
と詰め寄って来る。
最初こそすぐ否定してたんやけど、あんまりにも多いで わりと早い段階から『どやろなー』とか『そう見えるけ?』とかって聞いてきたやつをからかって遊んでた。
まぁ、結局最後には否定せなあかんことに変わりはねぇんやけど。
真相としては
『統でいいって。みんなそう呼ぶし』
『え、ほやけど…』
『ほしたらおれも龍大で!』
『おー、ほんならおれも勇飛でー』
『…お前ら何便乗してんや?』
『お前と違うてこっちは下手したら高校3年間 女子に名前呼んで貰えることなんかえんのやぞ!それにお前だけ名前やったら付き合うてるみたいやろげ』
『ほやほや。俺らにもちょっとくらい夢見せろや〜』
そうやって…統と龍大に便乗しただけで
なまえが俺の名前を呼ぶことに、特別な意味はえん。
ほれでも、
俺は名前を呼ばれるたび嬉しなる程の気持ちを抱え込んでもて
付き合うとかも、ほうなったらいいんやけどなーなんて気持ちがずっとあったんやと思う。
「なんか疲れてる?」
「、あー…悪い、考え事しとったであんま聞いてえんかったわ」
「…よしよし」
「、」
「何か飲み物でも買うてくる?」
「いや、ほういうんやないで慰めモードいらんぞー」
「え〜、ほやけど嬉しそうな顔したしのぉ」
「、ほれは、あれやろ、照れただけやろ」
「…もっと撫でたいでちょっこし しゃがんで!?」
「なんでそうなるんや…?」
最初は女子が少ないでもっと大人しかったのに
いつからか、容赦なく触れてくる。
口では不満そうに言いつつも、結局座り込んでなまえが満足するまで撫でられてるで全然意味ねぇ行動なんやけど
「勇飛がひっで可愛いからのぉ」と言われたら形だけでも不満気にしたくなるんが男心や。
「満足け?」
「ん!」
「ほうけー」
大満足!とでも言わんばっかに頬を緩ませて頷かれたら
こっちまで口元が緩みそうになるであんま見んように目ぇ閉じながら返事をした。
女子は好きに触れるでいいよなー。
こっちはいくら可愛いと思ても、付き合うてえん女子に触るとか怖くて無理やちゅうのに…
もし 付き合うてたら、
「…また何か考えとる?」
「……のぉ、俺ら付き合わんけ?」
ほしたら、何も気にせんと触れんのにな…とか
ぼーっと考えてたせいか、一番重要なとこが口からさらっと出とって
屈んで覗き込んでたなまえの揺れた髪に思わず手が伸びた。
「え…え!?」
「…」
「かわっ、可愛いとか言うたで仕返しにからかっとる!?」
「違うわ!普通に、好きやし、」
「……」
「ほうやって可愛い顔しとる時に俺だけ触れんのは不公平やろ…」
みるみると赤くなってくなまえの顔を見て、膝の間に顔を埋めた。
さっきあと少しのところで触れんかった手が熱を持って求めてるんを我慢させるように握りしめる。
本当は、
名前を呼ばれたら嬉しいなんて
ほんなもんはとっくに通り過ぎとる。
後ろからなんべん手ぇ伸ばしかけたか分からんくらい
それぐらい 好きなんやって、
今のやと全然伝わってえん気するけど…
「…勇飛、付き合うてるんか聞かれても すぐ否定せんで…ほうやったらいいなって…」
「!」
「…私、ずっと…そう思ってたんやよ」
触れたい
今 抱きしめたら、上手う言えんことも全部伝わる気がするんや。
←
2/5ページ