2.43清陰高校男子バレー部
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「はよ!」
「…おはよ、」
「朝からテンション低いなー?」
「三村が元気すぎるだけやろ」
珍しく、一人で声をかけてきた三村は
今日もニコニコとお菓子のパッケージを開けながら隣に並んで他愛もない話を始める。
「これでも朝練後でエネルギー不足なんやけどなー」
「そうは見えん」
「まぁ、大会の後やったとしても おれの方がハツラツとしてる自信はあるな」
「ほやろな」
「今日もみょうじはクールやなー。今の、バレー部ならツッコミ入れてくるとこやぞ」
「……」
そのバレー部を引き連れてえん事だけは本当に珍しくて
もし、ちょっと前 越智に『三村は男子引き連れたまま声かけてくるで話しづらい』なんて愚痴ってもたのが伝わって気ぃ遣うてるんやとしたら
人づてになってもた後ろめたさはあるけど、ちょっと印象が変わる。
まぁ、いつも赤やらピンクやらの甘そうな何かしらを持ってるのは変わらんけど…と、身長差のせいでちょうど目線の高さに来る手元の箱へ視線を送った。
「うまそやろ?新商品!コンビニで見つけてなー」
「良かったの」
「おー!みょうじもひとつ どやー?美味いぞ」
そう言うて またひとつ口に投げ入れるのを見ながら
まぁ、女子からの贈り物でえんならいいかと手を差しす。
「あーん」
「え、」
「やるで、あーん」
「……」
この間は、手に乗せたやろ…?と目で訴えても、口に向かってくる手は止まる気配がえん。
そん『この間』もバレー部に
『統が甘いもん人に分けるとか明日雨でも降るんやないけ!?』
『あー!ずるい!!おれにもくださいよ統せんぱーい!!』
『おーい、統が女子とイチャついとるぞー』
と、お菓子1個でどこまで騒ぐんやってくらい騒がれて居心地悪かったで
それなら要らんわって意思表示に差し出した手を降ろしたんやけど
口の前まで持ってこられて「はよしねー」と催促されたら大人しく口を開けるしかえん。
「ほい、」
「……」
「どや?美味いやろ?」
と自分の手についたチョコを一舐めする三村に
半ば押し込まれた形のチョコレートが、余計に甘う感じる。
「ほやの」と小そう返せば
満足気に大きく笑うんが太陽みたいに眩しいで目ぇ細めた。
「もいっこ食うかー?」
「もーいいって」
「もしかして照れたんかー?なーんて、みょうじに限ってほんな」
「……」
「え!?マジけ!?クールすぎて全然分からん!!もっかいやっていいけ!?」
「嫌やっての…」
「嫌とはひっでーな!」
カラカラと笑いながら 掴んだチョコを自分の口に運んで
その甘さからか、ひっで顔を緩ませた。
私は朝から直射日光を浴びた気分で
既に机にうつ伏せて眠りたいくらいの気持ちでいるのに
「ほしたら また今度、な」
と、今度はいたずらに笑うせいで
直射日光の間に虫眼鏡をかざされて 火がつきそうな気分になった。
収斂∴懸想
もしかしたら、火はもうとっくについてるのかもしれんけど。
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