青島カズヤ連載
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オメガダインの本部奪還からエネルギー基地の防衛、ついでにミゼルの正体まで発覚して
結局 様子なんか見に行く余裕もないまま
顔を合わせて聞けたことといえば「もう大丈夫なのかよ?」って、たったそれだけ。
正直、頷かれただけじゃ納得できねー。
大人しくしてるって言うわりに 熱は長引いてたし、昨日の夜だって下がりきってなかったはずだ。
合流して アミ、アスカ、オタレンジャー達と街を回ってる間も
ずっと 暗い顔してるのだって気になるし
色々聞きてーけど…また無理させるわけにも、って悩んでる間に
ミゼルの街への攻撃で 倒れ込みかけたなまえを
つい、抱きしめちまって…そんなこと悩む余裕もなくなった。
どんな状況でも
やっぱり、俺が一番に手を伸ばすのはお前で。
守ってやりたいと思うし
触れられる距離感が、やっぱいいなとか
あのまま 離したくなかっただとか
やけに抱きしめた感覚が消えねーから、そんなことばっか思う。
いや、そんな場合じゃねーんだよ。マジで。下手したら24時間で世界リセットだぞ…絶対止めるけど…でもこのままってのはなぁ…つかさっきは反応怖くて見れなかったけどなんかフォローとかした方がいいのか?!また怖がられたりしてねぇよな?!
なんて、余計にうだうだやってる俺に
なまえの方から声をかけてくるなんて 思いもしなかった。
「あ、の、」
「!なまえ…どうした?」
「………さっき…あり、がと」
「…お、おぉ!ケガとかねーか?!」
「…ん、」
「……なら、よかった」
「……」
俯いたまま。それでも、ぎこちなくても、会話ができたことに安心して
何も聞けてないのに…思わず今ある心配事、全部込みに対して出てきた『よかった』に
ゆっくり顔をあげたなまえと目が合って「…カズヤくんだ、」と呟いたかと思えば何故か大泣きし始める。
「えっ…?!わ、悪い!俺 何かしたか?!それともさっきのか!?」
「…ち が、カズヤくんがっ…知らない男の子みたいって…思ったら 全然…話せなく なっちゃって…!私っごめ、なさい…ごめんなさい…!」
いつも、泣くときすら大人しいなまえが
必死に謝りながら わんわん泣くのに驚いて、反応が遅れちまう。
「…い、いい!全然いいって!」
「いやな態度 いっぱい、とって、全然、普通に できなくて、」
「マジでいいから!気にしてねーし…!」
「でも、いっぱい困らせて、いつもも、迷惑 ばっかり、かけてた、からっ…嫌になっちゃっても…おかしくなくって…!私、もっと…ちゃんと…」
「んなことねーって!大丈夫だから!!」
「…私…アミちゃんみたいだったら良かった…」
「…は?!なんで突然アミが出てくんだよ?!」
「可愛くて、賢くて、LBXも強くて、誰とでも…話せて、そしたら カズヤくんとも こんな風にならなくて、迷惑も、かけなくて、普通、にっ、」
「ま、待てって!ちょっと落ち着け!な!?」
「だって…だって、このまま、ごめんねも…言えなかったらって、怖くって…!!ずっと…心細くって、カズヤくん、いなくて…っ」
「っ〜…いるだろ、ほら、泣くなって、」
泣きながら 服を引くなまえの手を上から握って
どうすれば、何を言えば、
今のお前を『助ける』ことになるのか分かんねぇし
ずっと心細くさせてたってのも、
再会してから…いや、もしかしたら、俺がいない間 ずっと
そんなこと考えてたのかと思うとたまらなくて
いくら拭っても泣きやむ気配のないなまえに、耐えられなくなって
空いてる腕でなまえの頭を抱え込む。
「変な心配ばっかしてんじゃねーよ。んな謝んなくても俺、別に怒ってねーし。お前のこと嫌にもなってねーし…一緒に いるし、」
俺はそんなに察しがいいわけじゃねーから
これがなまえの望んでるものかどうかは分かんねーし
なんか言ってて恥ずかしくねーか、これ…なんて思ったら尻すぼみになっちまったけど
それでも必死に、なまえが並べてた言葉を拾って、返して、
だから、と言いかけて 気づく。
「……ちょっと待て、お前…まだ熱あるな?!」
「…?…朝、下がってた」
「絶っ対下がってねーよ…」
なまえの額に手を当てれば 俺より熱くて、やっぱり…と口に出す。
どうりで様子おかしいと思った…。
「お前、家帰って寝てろ」
「……やだ、」
「やだって…」
「…一緒がいい」
「………」
じゃなきゃ、こんなわがまま言うはずねーし。
つか、可愛い とか思ってる場合じゃねぇから!しっかりしろ!と自分に喝を入れたところで、なまえに服を引かれれば俺が押し切れるはずもない。
「あー…分かったから。大人しくしてろよな…」
「うん…」
泣きやんだらぼーっとし始めたなまえの手を引きながら
アミなら上手く説得するかもしれねーし、とりあえずアミのとこに連れて行くか…と最後まで人任せなのが情けないけど俺らしい。
「…カズヤくん」
「ん?」
「おかえり」
「!」
今じゃなくねぇか?と思いながらも「ただいま」と返せば 嬉しそうにするなまえを見て
隣から呼ばれる名前も、
本当なら一番に聞けると思ってた言葉も
全部、最後になっちまったけど
元に戻れたなら
今はもう、それだけでいいか。なんて