青島カズヤ連載
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まだどこか他力本願で
時間が経てば、日本に戻れば、気づけばそのうち、
なんて真剣に捉えてない俺に突き刺さった なまえの発言。
『大切な人がいるから、ごめんね』
昨日、LBXの人気を取り戻す活動の一環で
アメリカの子供たちにLBXを教えてて
『日本人ってかわいいな!オレ将来なまえと結婚する!』なんて言い放つマセた子供に、なまえがかけた言葉だったけど
何より一番俺の心を抉った。
日本にいた頃の俺なら…俺のことかも、なんてうぬぼれもしただろうけど
今の状態で舞い上がれるほど 俺のメンタルは強くない。
側にいるくらいは平気になったっていっても
俺がいると気を張ってるのは目に見えて分かるし、
見るのは横顔か、後ろ姿ばっかで
日に日に、悲観的になってく自分がいる。
俺が居なきゃ返事するのが精一杯だったなまえが
俺が居なくてもバンとも辛うじてコミュニケーションとれてる…ような気がしなくもないし
今なんてジンと、わりと普通に話してるように見える。
ジンに対しては昔からちょっと警戒心薄かった気がするけど…
でも今 改めて見せられると、
「まーた、顔に出てるわよ」
「!アミ…」
「そんな顔してたら余計に怖がられるんじゃない?」
「…待て、俺いまどんな顔してた…?」
「私からは嫉妬してますって顔だけど、なまえからすれば睨まれてるようにしか見えないでしょうね」
「…どっちにしろ最悪だ…」
「見なきゃいいじゃない」
「……」
「ま、できたら苦労しないか」
アミのその言葉に俯いていた顔を更に伏せて
もう見えもしないのに、なまえが居ない方向に視線を振った。
別に見たくねーよ、俺だって。
アイツには俺だけだったのに、とか
ジンと並んでるとお似合いだ、とか
もう俺がいなくてもいいのかよ、とか
そんなこと、思いたくもねぇよ。
「…なんで こうなっちまうんだか」
ほんと、分かんねぇ。
大切なやつって、誰だよ。
今の俺じゃだめなのか?
もう俺がいなくても平気なのかよ。
もう、俺を…
って、全部問い詰めて なまえの答えを聞けたら
とか
自分が何一つ伝えてねぇくせに
そんなこと、できるわけがない。
「どこ行くの?」
「今日はなんかだめだ。部屋居るからなんかあったら呼んでくれ」
「分かったわ」
逃げ出すように男子部屋のベッドに転がって、でけぇため息をついても
『大切な人がいるから、ごめんね』
なまえのその言葉が ずっと頭から離れなくて
ごめんね、と断られたのが自分のような気がして
胸がずくずくと痛み続けてる。
俺ってこんなだったっけ、
前はこんなんじゃなかったよな…
だって、
ずっと、側にいるもんだって思ってたし
周りからも付き合ってるも同然って扱いで
なまえのおばさんからもなまえのこと頼まれてて
俺がいれば、っていうなまえがいて…
…だめだ。
どうにかしなきゃなんねーってのに…
後ろばっか
見ちまう情けない自分にまたつきたくもないため息をついた。