26歳
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「そういやお前最近、なまえと仲良いんだって?」
「…はぁ!?」
前回の合宿から約2週間、
春高予選前最後の長期合宿へ向かうバスの中で 滝ノ上が変なことを言うから、でかけてた欠伸も途中にうろたえる。
「飲み屋のオヤジが言ってたぜ~?こないだも二人で呑みにきたってよ!」
「あー…これだから田舎は…そういうんじゃねえよ。これっぽっちも!」
「なんだ、ちげーの?」
「店番頼んでる礼に飲みに連れてっただけだっつーの」
「ふーーん?ホントにそれだけか~?」
「他に何があんだよ」
「何って…なぁ?」
「第一声で人の服にケチつけてくるような奴だぞ…」
「ははは、相変わらずだな」
そう呑気に笑う滝ノ上から視線を外して、カーテンのかかった窓へ視線を泳がせる。
『なにー、その星のついたTシャツ。ウケる』
『あぁ?』
『ダメージジーンズもそろそろ卒業していい歳なんじゃない?それ穴空きすぎだし』
『うるせぇ!ほっとけ!!』
この前飲みに行った時も顔合わせて第一声がそんなで
『っていうか汚れてるし』つってじいさんに投げられた時にでも汚れたんだろう俺の服を 笑いながらはたくなまえは、仕事終わりだったからか 町内会で会う時とは違ってよそいきっつーかなんつーか…
確かにこの格好で隣並ぶのはなんか違うか?って思っちまうくらいの格好で、それに少しも動揺しなかった、といえば嘘にはなる。
飲み屋ではオヤジに『ついにお前にも女ができたのかと思っただろうが』なんて茶化されて、否定はしたけど
『私は別に、これといってやりたいこととかないし…烏養くんは今、コーチをちゃんとやりたいんでしょ?なら気が済むまで頑張りなよ。出来る範囲でなら手伝ってあげるから』
『…おう、助かる』
『だいたい店番引き受けたのは私の意思なんだから、変な気遣ってないで考えてあげなくちゃいけないことだけ考えてなよ!』
とか、話の流れでんなことを言われたら
よく分かんねぇけど、なんか…いいな、なんて思っちまったりして 思わず頭を抱えたくなった。
その後『烏養くん、頭そんなに良くないんだし』とか言われたら色々冷静になったけどな。
それでもやっぱ、
一回思っちまうと不思議とそういう風にしか見えなくなってきて
昔から知ってるから素で居られるのが楽ってのもあるし
一言多いけどまぁ…土産買って帰ったら喜ぶとか、可愛いとこもあるし…とか
そんなことを思って
どうしたもんか、と目を閉じる。
滝ノ上に言った通り、特別なことなんか何もねぇ。
厚意で店手伝ってくれてるつっても、俺のためってのとは違う気がするし、
彼氏居ねーからってアイツが俺をどうこう思ってるとも思えねぇし…
それに、
「…今さら、」
「ん?」
「なんもねぇよ!」
言えるか。好きだなんて。