双子事変
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「あれ、俺の彼女やねん」
「??」
「え??」
遠くを歩いとる女の子を指さして
突然そんなことを言うツムに、うちとサムは首を傾げる。
2年にあがって早々 何を言い出すんかと思ったら…
確かに、1年の頃から何度かツムと痴話喧嘩しとるの見たことある子やけど…
「2年なったからって見栄張らんでええで ツム」
「ア?誰が見栄やねん!張ってへんわ!」
「そんな分かりきった嘘誰も信じんて」
「うっさい!黙って悔しがれクソサム!!」
「人格ポンコツ野郎に彼女なんかできるわけないやろ」
「ア゛ァン??誰がポンコツじゃ!このヘタレボケ!!」
「ハァ!?!勝手に土俵降りたんそっちじゃろがい!」
「…もしもし、北さん?申し訳ないんやけど、今どこにおります?」
熱くなりすぎて胸ぐらをつかみ出す前に、そっと電話をとって北さんを呼ぶ。
小さい頃なら止めれもしたけど…二人ともデカなりすぎてもう間になんかよう入られへん。
中身はそんなに変わってへんのになぁ、と見慣れた取っ組み合いを眺めつつ 聞こえてへんのわかっとるけど
「怪我せん程度にしなあかんよ~?」て声をかける。
「悔しかったらお前も彼女作ってみろやクソサム!!」
「アァ!?今日中に作ったるわクソツム!!」
そんな捨て台詞みたいなことを言い合うたところで
北さんの「好きなやつ困らしてどうすんの?」の静かな圧で事態が収まる。
『それ』を`正論パンチ´に組み込まれるんはちょっと…と思いつつも
長年の反動か、それで動きが止まってまうんやから こっちとしては複雑な表情をするしかあらへん。
「授業始まるから全員はよ教室戻りや」
一通りの正論を貰った後、北さんからの解散の合図で それぞれの教室へ散っていく。
「サム、ほら、教室戻るで?」
「……俺、あだなと付き合う」
「!」
教室に向かいながら、後ろでぽつりと呟いたサムの言葉に
振り返るでもなく言葉をかける。
「…お昼にちゃんと言い直してくれたら 答えたげるな?」
双子事変 前編
そんな、言ったも同然の答えを返して ふたり それぞれ席についた。
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