Rainbow 9
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
プカリと浮かぶ浮輪の真ん中にお尻を乗せて寝転がると、目を閉じて視界の全てを遮った。
…やっぱり元の世界に早く帰りたいんだよね。
自分の都合で連れ回して嘘がバレるのを恐れて、エースの気持ちなんて分かるフリして。
…最低な人間だ。
太陽がジリジリと肌を焦がす。
いっそ私の汚い部分まで焦げついてしまえばいいのに。
パシャリと顔にかかる波が塩辛い。
目を開けると広い空には水色以外何も無い。
耳に届くのは潮騒と、微かに聞こえる人の声。
ここだけ周囲と隔離された感覚に陥る。
存在するのは一人だけ。
たった ひとり
……エースに本当の事を言おう。
嫌われるだろう。
軽蔑されるだろう。
それでも、彼が生きる世界は、生きたい世界はここじゃない。
ざばり、と浮輪をひっくり返すと私は岸に向かって泳ぎ出した。
.