Rainbow 9
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『うわーぁ!暑いねぇ!』
雲ひとつ無い青天に一際主張する太陽が眩しくて、手をかざしながら目を細めた。
肌がチリチリ焦げていくのを感じる。焼けたら嫌だなぁと思いながらも、久しぶりに近くに感じる潮の香りにワクワクする。
目の前に広がるのは太陽の光を乱反射し、遠くまでキラキラ光る一面の海!
……と人だかり。
「結構人が居るんだな」
確かに七月半ばという事もあってか、夏休みを先取りした学生や家族連れが多い気がする。
人が少なくて綺麗な海を、と思い2時間も電車に揺られてここまで来たのに少し残念だ。
エースは砂浜近くの岩場に腰掛けると私に荷物を差し出した。
「俺はここで海を見てる。名無しさんは泳いでこいよ」
『でも…』
「気にすんな!お前の水着姿が見たいだけだからな」
『ななな何言ってんの?もう!』
ひひひ、と笑うエースから私は鞄を引ったくった。
黒いビキニに身を包み、大袈裟に盛ったパッドがはみ出していないか入念にチェックした後、エースを呼びに行く。
こちらを振り返った彼はぎこちない笑顔をくれた。
「…に、似合ってんじゃねーか?」
『何で疑問系…』
「い、いいから泳いでこい。ここで見ててやるからよ」
そう言い、私の背をぐいぐい押す。
『う、うん』
海に足を踏み入れた時、一人にした彼が気になり振り向いて手を振った。
エースはそれに気付かないのか、海の遠い遠いところをずっと見ていた。
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