Rainbow 9
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どの位そうしていたのだろうか。
徐にペンギンが口を開いた。
「…そんなに…ですか」
「…………」
何がだ、聞き返すのさえ面倒臭い。
もういい出て行け、そう声を掛けようとした時、ペンギンは驚くべき言葉を口にした。
「……そんなに惚れてたんですか?名無しさんに」
「………………は?」
「………まさかまだ気付いて…」
ハッとしたように口を押さえるペンギン。
こいつは今、何て言った…
俺が、アイツに惚れている?
何の事だ?
待て、考えてみろ。
俺は名無しさんを…
どう位置づけていた?
アイツを初めて見た時、目を奪われた自分自身に戸惑った。
俺を拒絶するのが堪らなく癪に障った。
他の男が触れただけで、そいつを殺しても良いとさえ思った。
俺とは合わないんだと、そう零した唇を自らのそれで塞いでやりたいと…
あの瞳に、永遠に俺を映したいと…そう…
「……俺は……」
性欲処理なんかじゃねぇ暇潰しの玩具でもねぇ。ただお前と時を過ごしたい、叶う事なら一生だ。
これが“惚れてる”と言うなら、そうかも知れねェ。だが、そんなモンじゃしっくりこねぇ。足りねぇ、もっとだ。
「……そうか……」
フッと自嘲的に笑うと自分の愚かさが身に染みる。
「…もう遅い」
ぽつり、呟くとペンギンの顔が悲痛に歪んだ。
「……一人にしてくれ」
疲労感に瞼を閉じると浮かんで来たのは滅多と無いアイツの笑顔だった。
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