Rainbow 9
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…何か分かったのか?」
「……妙な話を耳にしました」
腑に落ちない顔をして腕を組むペンギンは続ける。
「彼女が火拳のエースに連れ去られる前に、接触していた男がいたらしく…そいつが突然消えたのが目撃されています」
「消えた…?」
「能力者か、もしくは…」
もしくは………
ペンギンが言葉を濁す意味を嫌が応にも理解する。
そうならば、もはや彼女を見つける事は不可能だ。
「……もしくは、あいつの……」
行き着いた答えに愕然とする。
それが名無しさんの言っていた男ならば、意味も無く目の前に現れる訳が無い。
きっと渡してしまったのだ…世界を跨ぐ何かを。
己の不注意に唇を噛み締める。何故もっと重要視しなかった?一番の危険はもっと違う所にあったのに。
いつも目の前の問題しか見えていなかった。
「…気になるのは一緒に居た火拳です。彼女を連れ去った後、消息がぱたりと途絶えている」
「…………………まさか、な」
「……まさかそれは無いとは思いますが…」
ハァ、と重い溜息を吐けば、ペンギンのそれと重なった。
「……全てただの可能性ですから」
俺はそれには答えず宙を睨み付ける。
.