Rainbow 8
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「…おい!名無しさん」
『大丈夫!まだ大丈夫!』
もう何本目かのプルタブを引っ張る。
一気にゴクゴクと流し込み、軽くなった缶を置くと口元を袖で拭った。
『見た?ベポ!凄い?』
「…ベポって誰だ?」
目の前に見えるのは、まん丸の目じゃなくて切れ長の涼しそうな目。その瞳が心配そうに私を見遣る。
「相当酔ってるな。そろそろ寝たほうがいいぞ?」
私の腕を取り、ベッドへと促す。
優しく触れるそれは、まるで心の余裕を現しているようで。
苛々してその手を激しく振り払った。
驚いたように固まり、すぐに歪む表情。
不機嫌な顔が、どこかの誰かとリンクする。
『…なんでそんなカオすんの?』
「…………心配してんのに名無しさんが分かんねぇからだろ」
『……そうやってちゃんと言わなきゃ分かんないよ!』
そうだよ、全部言葉にして言ってくれたら。
ならさ、あんな別れ方しなくて済んだのに。
言葉足らずなんだよ、いつも…。
隣に座る彼を見る。
ふて腐れてそっぽを向く横顔が、またアイツとブレる。
エースは男らしくて優しくて、私はきっと一目惚れで。
一緒に居るのが凄く楽しいのに。嫌味も喧嘩も無くなって、満ち足りた生活をしてる筈なのに。
………なのに何で事あるごとにアイツが出て来るんだ!
私は目の前のシャツを引っ張ると、その胸に顔を埋める。
「おわっ!名無しさん!」
「このままでいい……」
「お…お前…何言って…」
「………私は、エースと居る今が、幸せなんだ……」
「……なっ……」
エースの顔が真っ赤になってるのなんて見えなかった。
宙を泳いでいた彼の腕は、少し戸惑うように体に触れると、ぎゅっと私を抱きしめた。
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