Rainbow 8
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「……少し、アタマが冷えた」
テーブルに置いた缶がエースの拳に当たる。
倒れたそれは、カランと空虚な音がした。
「オヤジだってそうだ…自分の手は汚しても息子同士の殺し合いなんて見たくねぇ筈だ」
『…お父…さん?』
固く握られた拳が解かれる。
彼の口元には微かな笑みが浮かんでいた。
「船長だ。俺達クルーは親しみを込めて“オヤジ”って呼んでんだ。オヤジも俺達を“息子”って呼んでくれる」
『…素敵だね』
…心の底からそう思う。
血の繋がりは無いが“家族”と呼べる。その心の繋がりはどうすれば築かれるんだろうか。
血の繋がりがあるのにどうして壊れるんだろうか。
『……飲もっか…』
彼の手元にある空の缶を取り、キッチンへ向かった。これ以上彼の“家族”の話を聞いていたくなかった。
背中ごしに声が聞こえた。
「…名無しさん、ありがとな…」
…お礼なんていらない。
ドロドロした感情が私を支配する。
明日の命も分からない世界で家族に愛される彼と、この平和ボケした世界で愛を欲する私と
ねぇ、どっちが幸せ…?
羨ましくて、妬ましくてしょうがないんだけど。
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