Rainbow 1
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嫌々目線を上げ、かち合ったのは曇天色の瞳。
瞬間、全身を襲ったのは恐怖。
何故なら、私の顎に添えられていたのは、ギラリと光る長い
…刀、だったから。
「死にたいなら抵抗すればいいが」
男はククッと喉の奥で笑う。
「そこまで馬鹿じゃないだろう?」
頬を伝った汗が刀の平らな面を濡らす。
コレが本物かどうかなんて、先程からチクチクと喉に感じる痛みが教えてくれている。
きっと切っ先が当たっているのだ。
「お前は何者だ」
誰この人。それに、この状況は何だろう。
思い出す限り、私はクラブに居たのだ。
貰った薬を売ろうとして、それを口にくわえて
……そう、間違って飲んだ。
それからの記憶が全く無い。
あのクスリは意識を失う程、危ない代物だったのだろうか。
ともすれ、この状況は最後に一緒にいたアイツの仕業に違いない…
「何考えてやがる。質問に答えろ」
鋭い目が一層殺気立つ。
冗談じゃない。気を失った私を仲間を使って拉致監禁だ?今まであんなにご機嫌伺っといて、とんだ裏切り行為だ。
きっと黒いハットの男とグルだったに違いない。
私は思いっきり男を睨んだ。
「ほぅ。肝が据わった女だな。もしくは馬鹿か」
だがな、と男は続ける。
「自分の立場をわきまえた方がいい」
そう言うや否や、顎に添えられた刀がスッと降ろされた。
瞬間、胸にひんやりとした空気を感じる。
「…貧弱だな」
下を向くと、服がお腹辺りまで切られ、下着が見えていた。
けれど、そんな事どうだっていい。今は裏切られた怒りで頭が回らない。
『タクヤ呼んで…』
「あ?」
『話があんなら本人が来いよ。さっさと呼んで!』
「……頭大丈夫か、女」
男の顔は、完全に憐れみを浮かべていた。
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