Rainbow 8
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「あっ名無しさん!」
こちらに気付いたエースはあの無邪気な笑顔で私を呼ぶと、女性徒を掻き分けこちらへ近寄って来た。
彼に引っ付いてたレナが不満そうに顔を歪めている。
『…待たせてごめんね』
周りを一瞥すると名残惜しそうな女達が見える。見せ付ける様に腕を回し手を繋いだ。彼女達の悔しげに歪む表情は、もはや私への糧だ。
『いこっかエース!』
「…あ、あぁ」
エースは突然繋がれた手に驚いたのか、狼狽えながら頷く。
私は清々しい優越感に浸りながら校門を出た。
…………………
「好きなの選んで?」
帰り道にあるコンビニで隣に居る筈のエースに問いかける。
が、返事は返ってこない。
『…アレ?どこ?』
………いた。
あっちこっちの棚を眺めてキョロキョロしている。
「すげぇな!色んなモンが売ってんぞ!」
お菓子売り場をうろついていたと思ったら、今度はペットボトルを一つ一つ手に持ってしげしげと見つめる。
本当に無邪気で子供みたい。
胸がほわっと暖かくなる。
いいなぁ…こういう人。
初恋を思い出す。小学生の頃、二人手を繋いで内緒で行った近所のデパートで、色々手にしては走り回った。あの頃は、誰もが無垢で無邪気だったっけ。
私が惣菜を手にボンヤリしていると、近づいて来た彼はこう言った。
「俺、お前が作ったモン食いてぇ」
……私、料理はトーストしか出来ないんだよね。
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