Rainbow 8
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鞄を机に放り投げ、席に着こうとした私に、すかさずレナが寄ってきた。
「名無しさん久しぶりじゃ―ん!あのイケメン誰?紹介して!」
『…誰でもいいじゃん。何でアンタに紹介しないといけないの』
「またそうやって男前を独り占めするんだから!」
『アンタもタクヤとやってんじゃん』
「……知ってたの?」
私はそれには答えず、スマホを出して久しぶりに未読をチェックする。
そして走り読みをしながら流れ作業のように次から次へと返信する。
レナはその様子を黙って見ていたが、しばらくすると気まずそうに遠ざかって行った。
「…名無しさんちゃん、久しぶりだね」
隣から聞こえた落ち着いた声に、居心地の良い存在を思い出す。
『あぁ山田くん…元気だった?』
「俺はいつもよりのびのび自由だったよ。それより名無しさんちゃん、旅行って二週間もどこ行ってたの。海外?」
「…海外って言うより外界…かな」
「なにそれ?そうだ…先生にちゃんと言っておいたから、花粉症が酷いって」
「…………ありがとう」
山田くんそれ、春にサボった時に教えたやつだよね。季節は移り行くんだからさ、もう少し臨機応変にしようよ。
窓から差し込む朝日が眩しい。
グラウンドを見ると体育の授業をしている。この暑い中、確実にマゾとしか思えない。
私はカーテンを閉めると机に突っ伏した。
…お昼ご飯まで寝ようかな。
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