Rainbow 6
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「で、何故俺に……」
『一番まともな会話ができそうだったから』
測量室に居たペンギンを捕まえて相談という名の交渉をする。
『とにかく支配欲が強いんだよ!このままじゃ私が鬱病になる。ペンギンから何とか言って』
「……一応、口添えはするが…あの船長が聞くと思うか?」
それもそうだ。自分が法律で、それを人にまで押し付けてるもんね。
「…こう言うのも何だが、船長の気持ちも分かってやって欲しい」
『何で?どう見ても私が被害者じゃん!』
「その…船長は…初めてで、感情のコントロールが利かないんだ」
『…どういう事?』
俺から言うのも…と呟きながらまごまごしているペンギン。
早くしないとローがシャワーから出てきちゃう。
『…とにかくお願いしたから!ちゃんと言っておいてね。じゃあ!』
「あ…あぁ」
早く戻らないと!
測量室の扉を開け放したまま廊下に飛び出した。食堂からシャチの馬鹿笑いが聞こえる。またカードゲームでセコい技使ってるんだろう…自由を取り戻したら一度鼻っ柱をへし折ってやりたい。
船長室の数メートル手前で一度止まり、足音を忍ばせながらそっと扉を開けた。
中からシャワーの音がする。
…よし、セーフ!
私は奥の本棚へ行き、手前の本を一冊持つとソファに腰掛ける。
同時に背後でガチャリとドアが開く音がした。
「…どこへ行っていた」
『…ここに居たけど?』
きっちり真ん中で開いた本の流れるような筆記体から目を離し、私は努めて自然にそう答える。
お前はエスパーか。超人的だよその勘の良さ。悪魔の実なんて要らなかったんじゃない?
『…それより服着なよ』
ボクサーパンツ一丁で、頭を拭きながらこちらに向かって来るロー。細い割にはちゃんと付いた筋肉に、雫が滴っている。
その彫刻のような造形を舐めるように見てしまう自分に羞恥心を感じ、慌てて視線を本に落とした。
ペタリペタリと近寄って来た足音が目の前で止まった。
浅黒く、男の癖にやけに綺麗な足が視界に入る。
「……コレが…」
突然手首を鷲掴みにされ、持っていた本が重たい音を立てて落ちた。
「最近痛ェ…」
…ローの乳首って柔らかいんだな、ってそんな事はどうでもいい。何故私はあんたの胸を触らなきゃいかんのだ。
『…心臓病なんじゃない?』
「医者が病気じゃ笑えねェ」
湿った肌から伝わる熱い鼓動に、私の胸まで同調する。
「…お前がいねェとそうなる」
『…極度の心配性なんだね』
一瞬不可解な顔をしたローは、ギシリ、とソファに片膝を付き身を屈める。
徐々に近くなる灰色の瞳。
……キスされる…!
頭が真っ白になり呼吸が浅くなる。大きく脈打つのは私の心臓かそれとも触れているローの心臓か。
ぎゅっと目を閉じると間近に感じる暖かい吐息。
このエロ魔神め、セクハラ大王め、変態キングめ。全部身分が高いなオイ。俺様なアンタにピッタリだよ。
……………。
……………、あれ?
…遅くない?
そろそろと片目を開けると、やっぱりローの顔は間近にあって、どくりと自分の心臓が一際大きな音を立てた。
「何で嫌がらねェ」
『…………は?』
嫌がらせしたいの?究極のドSなんだね。趣味悪ーぃ。
「…俺でなくともするのか?」
『………いや、言ってる意味が分かんない』
盛大な舌打ちをしながら体を離すロー。
クローゼットへ向かう彼の突出した肩甲骨を見つめながら、最近どこかで似たような台詞を言われた気がしてふと考えたが、どうでもいいかと意識を戻す。
それより、ローは何が言いたいんだろう。確かに嫌じゃなかったけど、それは彼と出会ってから数々のセクハラに耐性が付いているせいだと思うし、そんな私の生き抜く術を軽い女みたいに言うなんて…
『…ホント失礼だよ。あんたのせいなのに…』
「…あ?」
『…独り言』
「あァ、そうか頭を怪我していたな。不憫だな…」
ローなんて、ベポの寝相で踏み潰された後シャチの流れ弾に当たってペンギンの裏切りで暗殺されればいいのに。
.