Rainbow 6
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俺が部屋に戻ると、名無しさんは寝転びながら手に持った何かを一心に見ていた。
「何をしている」
『あっ…ろー…』
口の中でも切ったのか、やけに舌足らずで口数が少ない。お陰で無駄な言い合いをする事も無く平和だ。
俺は名無しさんの手元へと顔を寄せた。
そこには、シンプルな銀のブレスレットが握られていた。
「お前のじゃねェな」
こんな物を付けていた記憶は無い。
『…きざる…さんの…なくなった、めいの…』
大将黄猿の?あいつ姪がいたのか。
形見をわざわざコイツにやるとは。黄猿が気に入ったという話は本当らしいな。
「へェ…」
俺は名無しさんの手からそれを取り上げると、まじまじと見た。
一見簡素に見えるそれは、よく見ると細やかな細工が施してある。
…趣味は悪くねェな。
テーブルに置こうとすると裏側に文字が見えた。
――“ Z to M "――
「…恋人からか…」
そう呟くと名無しさんは酷く驚いたように目を見開いた。
『…どして、そんな…』
俺は枕元に近付き、文字が見える様に名無しさんの目元にかざす。
「黄猿の名前は“ボルサリーノ”だ」
名無しさんは驚愕し、呆けた様にそれを見続ける。
俺の知らない所で感情を揺さぶられるコイツに軽く苛立ちを覚え、ブレスレットをサイドテーブルへ放り投げる。
反抗心を顕わに俺を鋭い目で睨んだ名無しさんは、至近距離で目が合った事に驚いたのか、ふっと俯いた。
「どうした?」
俺はにやりと笑って更に顔を近付ける。
『…ちかい……』
「……あァ……」
じりじりと後退する名無しさんの頭の横に肘を付いて逃げ場を無くすと、吐息が交わるまで顔を近づけた。
『…けがにん、ですけど』
「知っている」
構わず耳へ口付ける。
ピクリと反応する姿に欲が掻き立てられる。
「…もう勝手な行動をするな」
『…ご、ごめ…』
ぎゅっと目を閉じる名無しさんの耳たぶを噛む。
「離れないと誓え」
『…わ、わかった…』
ねっとりと耳を舐めとり満足するまで蹂躙した後、名無しさんの上から体を起こした。
『へん…たい…』
「褒めるな」
ハァーっと重たい溜息をついた名無しさんは、こちらを見ようともせず、徐に目を閉じた。
こいつが喋らないと平和だが…………
面白くねェな。
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