Rainbow 6
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
縄梯子を出そうとするペンギンを手で制し、欄干に足を掛けると、目に飛び込んで来たのは桟橋で名無しさんを抱いて踞るベポの姿だった。
「あ!キャプテーン!!」
ベポは慌てて立ち上がろうとするが、名無しさんの体が揺れるとまた座り直し、途方に暮れた表情でこちらを見上げた。
何があったのかと彼女を見遣ると、頭にうっすら赤が滲んでいる。
俺は躊躇無く欄干を蹴った。
「…キャプテンごめんなさい…。名無しさんが俺の事庇って……うぅ…」
ベポは大きな目から大量の涙を零して、血が付いた名無しさんの頭をそっと抱く。
俺は咄嗟に彼女の口元へ手を遣った。
掌に暖かい吐息を感じ、一気に張り詰めていた緊張が解ける。
「……先に生きていると言え。訳は後で聞く、医務室に運べ」
ベポは既に濡れそぼった顔をまた濡らしながら大きく頷いた。
.