Rainbow 5
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『……ここ、どこ?』
絶対こうなるの分かってたんだけど…。
生まれ育った地元の街でも迷う程の天才的な方向音痴なんだから、知らない土地で迷わない筈がない。
安定感の無いヒールで、しかもかなりの距離を走ったせいで、足の皮が剥けている。
足を引き摺りながら歩いていたけれど、痛みに耐え切れず立ち止まり、建物の陰にもたれた。
壁に頭を預けると、耳たぶが擦れてチャリ、と鳴った。その音でローを思い出し、輪っかを勢い良く引っ張って
……その手を止めた。
--“不安なのか?”--
ふいに頭の中で記憶が交差する。
『…あれ、昨日の、夢?』
--“気が向いたらお前の島に寄ってやる”--
『…違う…夢じゃない。…そう言って、ローは…ピアスをくれたんだ…』
こんな約束めいた事を、なぜ忘れてたんだろう。
…しかもそれを一度突き返してしまった。
ローはどんな気持ちだったんだろうか。
今朝も、二日酔いで寝過ごした私を叩き起こす事も無く、朝方から宿を探したんだろう。昨日は遅くまで飲んでいた筈なのに。
短い間だけど、彼が捻くれた性格だなんて分かってたじゃないか。
さっきだって、もっと違う言葉が言いたかったのかもしれない。
思いきり引っ張った耳がヒリヒリする。
視界が段々歪んで来て、何も零れ落ちない様に無理やり空を見上げた。
太陽が少し傾き始めていた。
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