Rainbow 5
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土埃を立て鈍い音と共に地面に落ちた男に、私は慌てて駆け寄った。
男はグッタリとしていたが、胸は上下している。
…良かった、生きてる。
「…おい、なんだその格好は」
後ろから唸るような声が聞こえて嫌な予感がした。この音程はきっと、後の展開が良くない。
ゆっくり後ろを振り向くと、顔全体で不快感を露にするローと視線が合う。あれ以上眉間に皺は寄せれないだろう。
『えっと、さっき買ったんだけど…』
「可愛いでしょ!よく似合ってるよね!」
ベポがウキウキした口調で会話に入って来る。
「みっともねェ」
『は?』
「そんな貧相な体で、その露出した服は似合わねェ」
な、なんだと?
「ああゆうのが着んだよ。そういう服は」
顎でしゃくった先には、わがままボディのお姉さまが男の人に声を掛けていた。
おっぱいFサイズはある…ハンデ4。
『わ、悪かったね!どうせ貧相ですよ!』
最後の最後まで憎まれ口叩くなんて、いくらローでもわきまえて欲しい。こんな雰囲気のまま終わりだなんて最悪だ。
ローは私の手にあった紙袋を引ったくり、元着ていたパーカーを取り出すと私の肩に乱雑に掛けた。
「フラフラするんじゃねェ。お前は女なんだ、警戒しろ」
呆れた目で見られる。
「頭も体も物足りねェ。そんなんで生きていけんのか」
『……………』
そこまで言わなくてもいいじゃない。
ホントに、この男はデリカシーの欠片も持ち合わせてない。
『……もうほっといてよ』
自分の喉から、こんな低い声が出るとは思わなかった。
『アンタにはもう関係無いでしょ!この島でお別れなんだから、ほっといてよ!』
何でいつもコイツとは上手くいかないんだろう。何でいつも噛み合わないんだろう。
悔しくて悲しくて、私はその場を駆け出した。
「おいっ名無しさん!」
シャチの呼ぶ声が遠く背中に聞こえた。
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