Rainbow 5
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「わー名無しさん!可愛いよ!」
ベポがキラキラした目で見ている。
『ありがとう。派手じゃない?』
私が着ているのは、ショーウィンドーに飾られていた花柄のワンピース。
あんまり可愛いから、購入してすぐ着てしまった。
ここ数日スカートなんて履かなかったから、なんだかそわそわする。
『ううん!名無しさんにとっても似合ってるよ!』
ベポは他人の事なのに嬉しそう。
全く可愛い奴だ。
「うわっ!やべぇ可愛い……名無しさん…そそる…。俺に火が点いた」
シャチは何を言ってるんだろう。あっ走り出したけど、どこに行くんだろ。
レディースショップを漁るシャチを遠目に見ながら、ベンチにベポと腰かけた。
『なんだか今日でお別れって気がしないよね』
「…名無しさん、俺もだよ。明日も食堂に行ったら名無しさんが後から起きてくる気がするんだ」
『ベポ…』
オレンジのツナギに手を回し、力の限り抱きしめた。
所々はみ出たベポの毛は少し湿ってて、草の匂いがした。
「俺、グランドラインを一周したら名無しさんに会いに来るよ」
『ありがとう、ベポ』
それが叶わぬ夢でも、何でも良かった。ベポがそう思ってくれている、それだけで良かった。
種別も世界も飛び超えて、私はベポが好きなのだ。
「…キャプテンの所へ戻ろう。遅くなったから、不機嫌になってるよきっと」
眉間に皺を寄せているローを思い浮かべながら、苦笑いした。
あの苦虫を噛み潰した顔を見るのも、今日で最後なのだろう。
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