Rainbow 5
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甲板に出ると、太陽はあと少しで頭の上に来る頃で、ホントに寝過ごしたなと後悔する。朝早く着くって昨日言ってたし…。
「コイツはこの島までだ」
集まったクルーに向けて、ローはまるで業務連絡のように言った。
『あ…あの、短い間だったけど、お世話になりマシタ。』
私はクルーに向かい頭を下げる。
シャチやペンギンは複雑そうな表情をしている。べポは俯いていた。
「俺はコイツを宿まで送って行く。シャチ、ベポ、お前らは補充物資の荷物持ちだ。来い」
2人とはまだ一緒に居れるみたいだ。良かった。
ペンギンは見張り番で船に残り、この島には上陸しないらしい。
私はペンギンに目線を送り笑いかけると、彼は帽子を取り、はにかむ様に微笑んで頭を下げた。
船を降りて海沿いを道なりに歩く。どうやらそんなに大きい島では無いらしく、港町を中へ入るとすぐに中心街に出た。
規模は小さいが、服屋やら雑貨屋やらが所狭しと並んでいて、久しぶりの街並みに目移りする。
私は、服屋のショーウィンドウに飾ってある花柄のワンピに目を留めた。
元の世界ではこんなミニばかり履いていたっけ。
「名無しさん、このお店見たいの?」
ベポが聞いてくる。
『いや、いいよ。先に宿に…』
「欲しい物があれば買え」
数メートル先を歩いて居たローは、顔だけ振り向くとそう言った。
「シャチ」
呼ぶと同時に、空中を飛ぶ札束。
「…わわ!」
シャチが慌ててそれを両手でキャッチする。
「俺は薬屋で医療品を買う。後でこの先の広場に集合しろ」
そう言うと、ローはするりと歩み出した。
「やった!名無しさん、行こう!」
ベポに手を取られ、入ったこの世界のお店も、華やかで照明が眩しかった。
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