Rainbow 5
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「おい、起きろ」
『……うーん…』
ローの声がする。
なんか頭…痛い…。そういや昨日結構飲んだんじゃなかったっけ。一気する度にベポが手を叩いて喜ぶから調子に乗っちゃって、途中から記憶喪失だし。アホだ私。
「もう島に着いてるぞ。用意しろ」
シマ…しま…島
『………あぁ!!』
やっと頭で変換出来た。島ね。私の島ですね。
そっかいつの間に…
もう着いちゃってたんだ…
みんなと別れるんだ……
『…………………』
先を思うと不安が募ってきて、私はまるで時間を稼ぐ様に至極緩慢な動作で起き上がった。
「チッ…二日酔いか」
腕を組みながら冷ややかな目で見遣るロー。
…呑んだくれて二日酔いで寝過ごして…すげぇグウタラな人間だと思ってるんだろな。
『…いや、それもあるけど、違くて。あの…私今から船降りて…どこへ行ったらいいかと…』
右も左も分からないし行く所も無い。
降りた途端に路頭に迷うのが目に見えている。
「誰かがイビキかいて寝てる間に島を探索した。お前が世話になれそうな宿を見つけたから付いてこい」
驚いてローを見た。至って変わらない仏頂面に、眉間に皺をよせた表情。
表面から全く伺い知る事が出来ないが、気持ちがじわりと心に浸透する。
『…ロー…ありがとう…』
噛み締める様にそう呟き、私はベッドの上で深々と頭を下げた。
こんなに心の底から人に感謝するのなんていつぶりだろう。むしろ初めてかも知れない。
「……、…さっさと用意しろ。俺達は明日の朝には出港する。それまで物資の調達に時間がねぇんだ」
そう言って投げられた紙袋。
はみ出た生地は恐らく女物の衣服だろう。本当にこの男は分かり辛い。それとも天邪鬼なのかもしれない。
目頭にこみ上げるものを感じ、私は紙袋を持つともう一度ありがとう、と呟いてバスルームへ急いだ。
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