Rainbow 1
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………………
「コレ、そんなイイの?」
目の前の髪を盛った男は、そう言って片手で小ビンを傾ける。
もう片方の手はガッチリ私の腰に回しながら。
ええと、名前なんだっけ、有名なDJで友達が騒いでた…
思い出した。タクヤだ。
『跳べるらしいよ。5でいいよ』
「名無しさんも付いてってんなら買うよ」
そう言って彼は私の首元に顔を埋める。
私は笑いながら小ビンを取り、蓋を回す。
『試しに今飲んでみてよ。ほら』
一錠歯に挟み、彼に顔を寄せた。
恍惚としながら近付いて来る顔。
---ドンッ---
不意に肩に響いた鈍い痛み。
と、同時に喉に異物感。
「っチッ!てめぇ、前見て歩けよ!」
「あ、すんません!」
ペコペコ頭を下げる男を睨み、タクヤは視線を戻す。
「あれ、名無しさん?」
--そこには、まるで元から何も無かったかの様に喧騒が響き渡っていた。
彼の足元に転がった小ビンは、誰かに蹴られて姿を消した。
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