Rainbow 3
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食堂の扉を開けると、一斉にこちらを向く困惑した視線。
今日の視線の先は私では無かった。
「…キャプテン!どうしたの?」
ベポがひどく慌てたように叫ぶ。
あんだけ強引に頼んでおいて、その驚き方は無いだろう。
「気紛れだ」
そう言って、自分の席に座ろうとするロー。
私はベポの隣に行こうと方向を変える。
「どこへ行く。お前はこっちだ」
腕を掴まれ、ローの隣に鎮座させられた。
「ベポ、こいつの食事を持って来てやれ」
「アイアイ、キャプテン!」
ややあって、目の前に置かれるプレート。
スクランプルエッグに似た料理から良い香りがして、途端に腹の虫が鳴る。
『ローは食べないの?』
「コーヒーだけでいい」
『不健康児め』
「お前の食う姿見てるだけで胸やけがする」
『…何となく失礼だね』
私は目の前の料理を口に運んだ。
卵の味に似た、ふわふわとした食感に幸せになる。
なにこれ、おーいしーい!船で食べた料理の中で一番だね!
「明日の早朝には島に着くそうだ」
そう言って、ローは新聞を広げた。
途端、ひらひらと落ちる広告。
手を伸ばし咄嗟に拾い上げると、でかでかとした文字に目を奪われた。
<DEAD OR ALIVE>
紙面にある写真には、精悍な青年が少年のように悪戯な笑みを浮かべていた。
そのギャップに目が釘付けになる。
「火拳屋の手配書か」
『ひけん?』
「コイツも悪魔の実の能力者でお尋ね者だ。また賞金額を上げやがった」
ローは少しだけ楽しそうに口角を上げる。
「白髭屋の二番隊隊長。今一番ワンピースに近いと言われている海賊団だ」
『ワンピース…確か海賊王が残した財宝なんだよね』
ペンギンに説明してもらったこの世界の情勢。
「あァ、それを得た奴がこの海を制覇できる」
そう言うと、私の持っている手配書を奪い、グシャグシャに丸めた。
「悪ィが、先を行くのは俺達だ」
そう言って、床に放り投げた。
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