Rainbow 3
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また嫌な夢を見た……。
息苦しい…。
「…大丈夫か」
誰かが頭を撫でている。
そうっと壊れ物を扱う様に。
誰だろう?ナオトかな。手が大きいからリュウかも知れない。瞼が重くて見えないけど、誰でもいい。
嫌な記憶を忘れさせてよ。
私は頭を撫でる手を辿り相手の腕をつかんだ。
『……キスして……』
ピクリとした反応が伝わってくる。
ややあって頬に置かれた手と、唇に冷たい感触。
啄むような優しいそれに物足りなくなって、自らの舌で相手の唇を割った。
「やけに熱烈じゃねェか」
そう言うや否や、私の口内に差し込まれる熱いもの。縦横無尽に蠢く熱に、頭の中がショートする。
「…ッ…もっと舌出せ」
……誰だろう。知らない声…。
……否、知っているじゃないか。現実逃避は良くない。
段々覚醒してくると同時に絶望が押し寄せてくる。
「……ッハ…」
相手は興奮してきたのか首元へ舌を這わせ、服の裾から手を忍ばせる。
てオイ、ちょっと…
『……ちょっと待てェェーーい!!』
バッチリ目を開けると視界に映る藍色の髪の毛。私はその頭を力の限り押し退けた。
…私の記憶が正しければ、この頭の主は…。
「チッ。邪魔するな。いい所だったのに」
悪態を付いて隣に寝転んだ相手の顔を、嫌々ながら伺い見る。
限りなく100%に近い予想が外れてくれと切に祈りながら。
でもやっぱり……
「空気も読めねェのか」
…ローだった。
神様、誠心誠意懺悔するので時間を巻き戻して下さい。
『…バカ!間違えたんだよ!』
「あァ?何寝惚けた事言ってやがる」
最低、最悪。
私は袖で、自分の唇を何度も拭った。
ローは、その様子をじっと睨み付けてくる。徐々にオーラが黒くなっていくのが手に取る様に分かった。
「……気分が悪ィ。俺は他の部屋で寝る」
ローは、サイドテーブルにある帽子を掴むと、乱暴に床を鳴らしながら部屋を出て行った。
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