Rainbow 2
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「……何て顔してやがる」
ローは、ノックをせずに部屋に戻った私を、今度は咎めなかった。
『別に』
真っ直ぐベッドへ向かい、布団に潜り込む。
「下僕の癖に、感心しねぇ態度だな」
何とでも勝手に言ってればいい。もう何もかも、どうでもいい。
「何があった」
『……………』
「いい加減にしろ」
頭まで被っていたシーツを引っぺがされる。
『もうホントうざい!放っといてよ!どこか行って!一人にして!』
「………調子に乗るな」
地の底から這い上がる様な殺気を含んだ声に、体が強張る。恐る恐るローを見ると、額に青筋が浮かんでいた。
やばい殺られる…!本能が警鐘を鳴らすのと同時に、ローにお腹の上に馬乗りされて、手首をベッドに縫い付けられた。
『……ッなにする…』
「俺に反抗するな。何があったか言え」
ギシリ、と軋むスプリング。
掴まれた手首が
心が
………痛い…。
『……元の世界に帰れない…』
「どういう事だ」
『……間違えて変な薬飲んで…ここにいたの…。でもそれ、どこにもない…』
あぁ、もっと上手く説明したいのに、頭が混乱して考えが纏まらない。
「………その薬とやらはどこで手に入れた?」
『知らない男に貰った…』
ローは私の目を見ながら押し黙っている。きっと見知らぬ男から貰った怪しい薬を飲むなんて、浅はかな女だと思ってるんだろう。
「………………………」
『…………………あの』
長い沈黙に耐え切れず、何か言葉を探していると
「ソイツはお前の世界の人間か?」
『え?』
「…言い方を変える。お前の世界では、こんな風に世界を跨げる薬があるのか?」
『そんな訳ないじゃん!』
「この世界でも聞いた事がねぇ」
言っている意味が分からず、私は眉根を寄せた。
『………どういう意味?』
「実際に薬は存在するのに誰も知らねェ。…つまり、ソイツはどっちにも定住してないんじゃねェのか。もし世界を行き来してるのなら、再会する機会もあるはずだ」
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