Rainbow 2
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『聞きたい事があるの』
「部屋に入る前にノックをしろと教育されなかったのか?」
ローはソファーに座って辞書のような分厚い本を読んでいた。
『ハイハイ』
私は今入ってきた扉を、コンココ コンコン コンコン とリズミカルに叩いてみた。
「…一般の人間にここまで殺意を抱いたのは、お前が初めてだ」
『私が初めてって、嬉しい響きだよね』
心底呆れたような溜息が聞こえたけど気にならない。
『私が昨日この船に現れた状況を教えて欲しいの。甲板に倒れてたみたいだけど、回りに何か落ちてなかった?…こう、硝子の小ビンみたいなものが』
「さぁな。俺が見た時お前は、センスの無い下着が見え隠れする衣服しか身に付けていなかった」
ローは本から目を離さずに答える。
『…あぁ、そう。アンタに聞いたのが間違いだった』
すると、ちらりとこちらを睨みながら、
「お前、本当に頭が足りないな。船長の俺が甲板で見張りをする訳が無いだろう。お前を最初に見つけたのはクルー達だ」
あいつらに聞いてこい、と言って、また本に目を落とした。
何の情報も得られず不快感だけ抱いたまま、私は言われた通りクルーを探しに向かった。
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