Rainbow 12
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部屋へ戻ると、ローが長刀を背に担いでいた。
『どこか行くの?』
「医学書を探しにな。お前も来い」
『また?つまんないもん。観光したい』
「我が儘を言うな。街中建て直してるんだ。仕方無いだろう」
…そうだけど、本屋に行っても英語読めないし暇なんだよね。だからって一人で宿に居るのも寂しいしなぁ。
『…なら船に帰ろうよ』
「今は出港準備で慌ただしい。帰ってもお前は邪魔になる」
そう言うと、苛々したように舌打ちをする。
「…そんなに面白くねェのか」
『そういうんじゃなくて…』
だってさ、これじゃ以前と同じじゃん。あの夜以来、キスどころかそんな雰囲気にもならないし。なんかもっと恋人らしい事したいのに。
…って、まさかそんな事言える訳ない。
「お前は俺が不満なのか?」
一人悶々としている内に、何だかローの不機嫌に拍車がかかってきた。
まずいな…何か機嫌が良くなる方法は…そうだ、オッチャンの助言を思い出せ…。
--“女に迫られて拒むんは男やない”--
私は静かにローに近寄ると、その意外とシッカリした胸板にコツンと頭をぶつける。
『…ねぇ、ロー…』
小さな溜息が髪を撫で、ソッと肩に手が置かれる。
よし来た。
きっとこのまま顎に手を添えられて上を向かされて…
既に目は閉じてある。心の準備もバッチリだ。
さぁ来い!
しかし、触れた手は上に行く所か徐々に滑り落ち…
ガシッと私の二の腕を掴んで引っぺがした。
ビックリして目を開けると、ローは警戒する様に上から下まで私を眺めている。
「…何を企んでいる」
『………企む…?』
「俺を嵌める気でいるなら諦めろ。無駄だ」
…嵌めるんじゃなくてハメて…いや、おかしいな。余計不機嫌になっちゃったよ。
ローは帽子を取ると部屋を横切り、素っ気なく出て行った。
--“女に迫られて拒むんは男やない”--
『……クソジジィ…』
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