Rainbow 12
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『ねーオッチャンどう思うー?』
フロントに体を預けながら、宿の主人の綺麗に禿げ上がった頭を見つめる。
「どうもこうも、何でオッチャン君らの性事情を明け透けに聞かされなあかんねや…」
『やっぱ、一瞬怯えてた時期がマズかったよね』
「…まー、せやなぁ。男は意外にナイーブやからな。兄ちゃんも今回は慎重になってるんちゃうか?」
『でもあの野獣がだよ?そんなに我慢したらまたどこかで発散しようとするじゃない!!』
バンバンとカウンターを叩きながら、やる瀬ない想いを表現する。
青春を過去の引き出しにしまい込んだオッチャンには、もう恋心なんて分からないのかもしれない。
「…お、落ち着いてぇな。ほな、嬢ちゃんから迫るんや!女に迫られて拒むんは男やない!」
『…絶対?』
「イけるイける!」
本当かなぁ。そんな事したら逆に白い目で見られそうな気がするんだけど。この人、そろそろ面倒臭くなって適当に言ってるんじゃないの?
ムッとして睨むと、自然と目が行く主人の頭。
一本も毛の無い頭皮は光を反射し、天使の輪が煌々と浮かんでいる。
『…パルック』
「ん?何やそれ、偉い人か?」
『周りを明るくするんだよ』
「それオッチャンの事やんか!アッハッハッハ!これからオッチャンの二つ名にするわ!」
『そうだよ!アッハッハー!オッチャンにピッタリだよ!』
膝を叩きながら馬鹿笑いする主人に、私は意地悪に笑った。
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